- トップ
- 指導と評価
特集
魅力ある学級をつくる担任
★魅力ある学級をつくるためには、まず、担任自らが魅力ある教師を目指すことである。
★教師として試練や困難に直面したときに、模倣できる対象をもっているかどうかが重要なポイントである。
★魅力ある学級をつくるためには、ルールとふれあいが適度に必要である。
★ルールとふれあいのある学級は、夏休み・冬休み後の人間関係でのパワーバランスの変化によるいじめ・不登校などの問題に対して予防ができる。
魅力ある学級づくりを支える学校
★学校としての方針や方法を具体的に示し、学校全体で学級づくりに取り組むことが求められている。
★授業で好ましい人間関係を育て、望ましい学習習慣を身につけさせることで、学びの場、心の居場所としての学級づくりを進める。
★二学期のスタートでは、これまでの取り組みを継続しながら崩れそうになっているルールを見つけ、再確認して取り組ませる。二学期から教師は参加的リーダーシップをとるようにする。
★授業で心の通い合う人間関係を育てるためには、構成的グループエンカウンターなどのグループアプローチから人間関係を育てるノウハウを学び、教師の指導力を高めることが大切である。
小学校低学年で、魅力ある学級をつくる
★学級集団づくりは、四月最初の一週間が一年を左右するといわれている。同様に、夏休み明け一週間も、締めくくりの学年末を迎えるために重要である。学級の状況を把握し、修正を加えて慎重なスタートをしたい。
★夏休み明けの学級集団づくりで重要なことは、①夏休み前までに指導を積み重ね定着した学級集団の生活行動様式やルールを崩さないように持続すること、②学級集団の微妙な変化を見逃さず、荒れを防ぐこと、である。早期発見、早期対応が大事である。
★学級集団の状況を、アセスメントする手だてとしてQ-Uが有効である。子どもたちが魅力ある楽しい後期を過ごすために、夏休み明け一週間は充実した指導を行いたい。
小学校中学年で、魅力ある学級をつくる
★中学年の子どもたちは、いわゆるギャングエイジといわれ、友達との結びつきが強くなり、親や教師に対する依存的な姿勢から抜け出して、自分たちで考えて行動することを好むようになる。その特徴を、教科指導・学級経営に生かしていきたい。
★魅力ある学級とは、子どもたちにとって「いごこちがよい」学級であるととらえる。いごこちのよさを形成する要因は、・クラスが好きである・皆で協力する・お互いが助け合う・お互いが認め合う・自分の役割がある、などである。これらをまとめると、「仲間意識」ということになると考えた。
★仲間意識を高めるため、つまり、リレーションを高めるため、道徳や学級活動活では構成的グループエンカウンターを行ったり、教科の中に「いいとこ探し」の場面を多く設定している。
小学校高学年で、魅力ある学級をつくる
★魅力ある学級とは、「人間関係・信頼関係の確立」「ルール・マナーの定 着」「具体的な目標の設定」「役割の明確化」、以上四つの要素を満たしている学級である。
★学級経営の見直しを図るには、学級の実態を必ず振り返り、その結果を生かして、新たな目標と手だてを立てるようにする。
★九月からの学級経営で大切なことは、いろいろな活動を、夏休み前の80%のレベルをスタートラインとして取組みを始める。また、思春期に入りかける高学年の発達段階を踏まえた取組みを行う。特に、女の子の存在を見逃さず、学級経営に生かす。
★授業では、「学び合い」の効果が出るグループ学習の工夫を行う。
中学一年で魅力ある学級をつくる
★「中一ギャップ」を乗り越えためには、「中一生徒を取り巻く状況を把握するとともに、発達課題をふまえた学級、学校づくりが望まれる。
★「中一生徒」の中学校における学級経営は最初の一週間で決まると言われる。本稿では、小六から中一に入学する時期より「人間づくりに主眼を置いて、十年に及ぶ教育カウンセリングを基盤にした、不登校の予防・開発的教育相談活動実践をふまえ、論をすすめた。
★「魅力ある学級」とは、ルールとリレーションのバランスがとれ、受容と共感的理解にあふれた学級であろう。夏休み明けは、四月からの学級経営が試めされる時である
中学二、三年で魅力ある学級をつくる
★夏休み明けは、変化することの多い時である。また、二学期はまた多くの行事など、集団としてやることの多い時期である。結果はともかく、いかに自分たちで頑張った、やり通した、という達成感を味わわせることが、この時期の魅力ある学級づくりのポイントとなる。そのために、夏休み明けまでに一学期での総点検を行い、改善点を確認しておく。
★そして、日常活動と行事のバランスを考えながら、100点を目指すのではなく、8割で合格と考えて、いろいろな方法を試していきながら、生徒とともに歩んでいくことが、担任として、魅力ある学級をつくっていくことにつながる。
特別活動でできる学級づくり-学級づくりに特別活動の果たせる役割は大きい
08特別活動でできる学級づくり-学級づくりに特別活動の果たせる役割は大きい
★『人間関係を築く力』や『社会に参画する態度や自治的能力』の育成を強調するために、『人間関係』を加えた特別活動。社会性の基礎を身に付けるために「社会的スキル」を効果的に取り入れ、折り合いを付けたり、自己決定したりするのに活用したい。
★就学前教育との接続や中学校との接続を意識して「小一プロブレム」「中一ギャップ」に対応できるような人間関係を学ぶ機会を意図的、計画的に取り入れ、学級の実態に応じて指導する。
★発達段階に即した指導のめやす(低・中・高)と道徳教育、生徒指導との関連を図るために、学級ごとの学級活動年間指導計画(カリキュラムデザイン)を作成し、児童の実態の変容に応じた人間関係を形成する力を養う活動を展開したい。
連載
坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり 「わかる」と「できる」基礎・基本の考え方(39) 小学校四年、式表示・グラフ | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
---|---|
PISA型読解力を育てる(14)読解力を育てる国語の授業と教科書の改善1 | 兵庫教育大学大学院教授 堀江 祐爾 |
これからの理科教育をどうするか(2)小学校中学年「エネルギー」粒子」 | 筑波大学附属小学校教諭 鷲見 辰美 |
第三回全国学力調査を分析する(2)小学校国語 | 東京家政大学客員教授 大越 和孝 |
自己の生き方を育てる学校教育(1)学校教育における人格形成 | 明治大学教授 諸富 祥彦 |
ネット時代の読書論(18)教養のための読書-その2-実用・娯楽・教養- | 東京家政大学教授 平山 祐一郎 |
小学校英語活動のポイント(6)コミュニケーション力(資質・能力)の育み方と見取り方のポイント-その1- | 国立教育政策研究所名誉所員・2014年度戸田市英語教育運営指導委員会委員長 渡邉 寛治 |
だんわしつ ウガンダの旅 | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
ひとりごと/私の先生 | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |