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特集
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/「主体的に学習に取り組む態度」をどうとらえるか
★観点別学習評価の新観点である「主体的に学習に取り組む態度」は、従来の「関心・意欲・態度」のように複合的な観点ではないため、教師は子どもの学習態度(構えや行動傾向)を観察すればほぼ評価できる。この評価における要素として、「自ら学習を調整する態度」と「粘り強く学習に取り組む態度」のほかに「学びのエンゲージメント」という概念などから都合9つの要素をあげ具体例を示した。育て方についても簡単に説明した。
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/主体性を育む自己調整学習の指導
★感染症拡大による社会情勢やICT化など学校教育をめぐる変化のなか、対面やオンラインなどどのような授業形態でも、受け身でない能動的、主体的な取り組みが、学習の成否の鍵を握っている。
★自己調整学習は、動機づけや方略、学習環境にかかわる自律的な学びである。自己調整エンパワメントプログラムでは、動機づけ、行動の諸次元を支援し、学習サイクルを自律により、主体的学びを促す。
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/主体的に学び合いに取り組む集団づくり
★主体的に学び合いに取り組む集団をつくることは簡単ではない。教師は学び合いが成立していない集団に、まず「学び合いの仕方」を具体的に指導する必要がある。さらに「主体的に」という点から考えれば、教師は子どもたちに、自分たちの学び合いを振り返り、次に生かそうとする「学び合いを自己調整する力」を育成することが求められる。本稿では、これらの理論的背景と具体的方略について紹介する。
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/キャリア形成と学習意欲
★社会的・職業的自立の力を育むためのキャリア教育には、「働くこと」と「学ぶこと」の関連を学ぶことで、学ぶことを「自分ごと」としてとらえられるようになるという効果がある。つまり、キャリア教育を推進することで、結果的に主体的に学習する態度を育むことにつながるのである。学ぶことには価値があり、自分と自分以外のだれかのためになることである。この意識を教え手も学び手も共有できるように学習を進めていきたいものである。
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/主体的に取り組む態度を育てる-小学校算数科
★算数科の授業で「主体的に学習に取り組む態度」を育むためには、自らが働かせている「数学的な見方・考え方」を子どもに自覚させ、調整できるようにしていくことが大事になる。
★「主体的に学習に取り組む態度」は、教師の積極的な授業づくりの工夫(「しかけ」)と、その結果として必然的に引き出される子どもの反応を的確に価値づけること(「しこみ」)の連鎖の継続的な取組によって育まれていく。
❶「主体的に学習に取り組む態度」を育む/「主体的に学習に取り組む態度」を育てる
★「主体的に学習に取り組む態度」の基本的な指導に関する学校全体の共通理解の形成を図る。
★新学習指導要領解説(総則編)〔小中高〕の「主体的な学び」や「学習評価・主体的に学習に取り組む態度」と、特別活動編〔小中高〕の「主体的な学習態度の形成」、それぞれの指導に共通する「主体的な学習スキル」を見える化し指導の接続を図る。(4観点8スキル)
★「主体的な学習スキル」の指導を重点化・共通化し指導と評価の一体化を図る。
❷スクールソーシャルワーク/「学校で仕事をする一員」としてのスクールソーシャルワーカー
★本稿は、2008年から始まった「スクールソーシャルワーカー活用事業」の振り返りとともに、これからの子どもたちの未来に向けて、学校におけるソーシャルワークがいかに根づいていけばよいのかについて、学校課題への予防やチームアプローチ、多職種連携などの視点からの問題提起として論じます。
❷スクールソーシャルワーク/学校経営上の問題解決における校内外連携-スクールソーシャルワーカーの視点から-
★SSWは、不登校・いじめ・非行・虐待などの事象に対して個別的支援を行うことが多い。しかし、子どもたちの学校生活は「学級」という集団を基盤にしていることから、SSWは学級に対する理解を深めておく必要がある。
★本稿では事例に基づいて、個人の問題行動に端を発した学級の荒れが改善されていくプロセスにおける関係諸機関の連携と、そこにおけるSSWの役割について検討する。
❷スクールソーシャルワーク/いじめ問題への対応策-スクールソーシャルワーカーの視点から-
★子どもたちの命をも脅かすいじめ問題に対し、われわれはどう立ち向かうべきか。まずは、いじめ問題を身近な問題として認識する必要がある。大人はそれを念頭に、ささいな変化も独断せず情報を共有していかなければならない。実際の対応では、「子ども不在」にならないよう注意し、いじめ問題の解消を判断するのも子どもであることを忘れてはならない。
★子どもの最善の利益を「保障すること」を唯一の目標とし、多職種が各々の専門性と責任を自覚し、いじめ問題にていねいに向き合っていきたい。
❷スクールソーシャルワーク/スクールソーシャルワーカーの災害支援
★阪神淡路大震災、東日本大震災等、近年未曾有の災害が子どもたちや学校に襲いかかった。災害時にスクールソーシャルワーカーは何を担い、どう動けばよいのだろうか。教育の場にいる福祉の専門職として、その立ち位置や果たす役割、動きのタイミングなどを整理することでスクールソーシャルワーカーの災害時の具体的活用を提案したい。
❷スクールソーシャルワーク/スクールソーシャルワーカーによる社会資源の発掘・開発
★ソーシャルワーク専門職として、学校とともにソーシャルワークを展開するスクールソーシャルワーカー(以下、SSW)が、そのグローバル定義に基づいて実践を積み重ねることは重要である。
★本稿では、社会資源の基本的な側面を整理し、「子どもの最善の利益」という主目的を達成するために、学校内外の社会資源を十分に活用し、SSWが自らも一社会資源として利活用することの意義について、実践例を踏まえ検討する。
❷スクールソーシャルワーク/スクールソーシャルワーカー養成の現状と課題
★いじめ対策や不登校対応、さらには子どもの貧困対策や学校での虐待対応など、教育政策にスクールソーシャルワーカー(SSW)が位置づけられるようになり、専門性を活かした実践が期待されている。
★ただし配置自治体と採用人数が拡大する中で、適切な力量を有する人材養成が追いついていない。大学等での教育課程はもとより、現職者に対する養成教育も含め、多層的な働きかけをしていく必要がある。
今月のイチオシ!!ここまでは押さえたい学習評価(3)総括的評価とハイステイクス
連載
巻頭言スクールソーシャルワーカーへの期待 | 文部科学省初等中等教育局児童生徒課 海老澤美咲 |
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「主体的・対話的で深い学び」を創る(14)小学校理科におけるプログラミング教育の位置づけと実践 第6学年「電気の利用(プログラミング)」の事例から | 十文字学園女子大学教授 塚田昭一 |
中学校社会科で主体的・対話的で深い学びを創る(2)「問題解決的な学習」を通して、他者と学び合う力を鍛え上げる社会科学習の研究~「生き方」の問いで紡ぐ全単元構想~ | 十文字学園女子大学教授 塚田昭一 |
新しい教育評価の動向/主要論文の概説-R・サドラー「評価のクライテリアの由来と機能」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
教育相談はこう学ぶ!-全国各地の特色ある教育相談研修(15) 教育現場の要請に対応し実践を支援する教育相談研修 | 青森県総合学校教育センター教育相談課 木村 浩 |
「概念」を教える・学ぶ(2)子どもたちは「台形」をどう学んだか | 東京学芸大学名誉教授 河野義章 |
予防としてのコミュニケーション教育(3)逆境に負けない強い心「レジリエンス」を育む | 東京情報大学准教授 原田 恵理子 |