- トップ
- 指導と評価
特集
いま、特別活動の意義
★特別活動は、社会性の育成を直接の目標として設定されている教育活動であるとの原点に立って、指導の改善と充実を図ること。特に、児童生徒が自ら生活上の諸問題の解決に取り組めるよう指導を工夫すること。
★各内容の特質を生かすとともに、学校行事については精選に努め、重点化や内容相互の関連を図るなど工夫すること。
★「望ましい集団活動」を通して、教科や道徳、総合的な学習の時間での学びを実践的な態度として身に付け、特別活動の経験を教科等の学習に生かすようにすること。
★授業時間の確保や評価の工夫に努め、自主的な活動の場や機械の確保を工夫するとともに、一層、家庭や地域との連携を図るようにすること。
特別活動の評価
★特別活動の評価については、「集団活動」「実践活動」「自主的活動」の三大特質について把握できるようにすること。
★評価の対象としては、「指導計画」「指導方法」「集団及び個人の変容」が一般的であり、それらについて評価を適切に行うことが必要である。その際の個人の変容の評価が指導要録の記載となる。
★評価を充実するには、各内容ごとの評価基準を作成し、それを日々の実践活動の評価に活用するとともに、その結果を指導改善に生かすようにする。
★学校としての評価体制を充実し、評価の在り方及び評価と指導の一体化の研究実践を全教師が一体となって取り組むこと。
わが校の特別活動の評価の実際(小学校)
★特別活動の評価は、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の四つの観点で実施する。
★また、「学級活動」「児童会活動」「クラブ活動」「学校行事」それぞれの評価基準を低中高学年別に作成し、児童の具体的な姿を見取って評価していく。
★活動の過程を重視し、日頃の児童の活動の状況をよく観察し、また自己評価や相互評価を踏まえて、その積み重ねによって評価を行う。
★特別活動の活動状況を記録する個人カードを作成して、四観点での評価や活動状況を書き込み、その記録を通知表や指導要録の評価に活用する。
★指導と評価の一体化を図るために、個々の児童の評価にとどまらず、集団の変容を捉えて、次の指導に生かすようにする。
わが校の特別活動の評価の実際(中学校)
★本校で百十五年にわたって継続されている、生徒会活動とはどのようなものなのか。継続されている理由には、生徒同士の緻密な記録と毎回の自己評価がある。もちろんその背景には、それらを残してきた教師の意識や特別活動に対する考え方もある。では実際に記録、評価がどのように行われているのだろうか。
★生徒による自主的な自治活動を大きなテーマとし、生徒指導の柱として教師も「自主自律」を問いつづけ三年間を過ごしている。実際の活動がどのような実態を呈し、教師はどのように援助しつづけてきたのかをまとめた。
一人一人を育てる学級活動の工夫
★学級活動の活動変容(2)「希望や目標をもって生きる態度の形成、望ましい人間関係の育成」の児童の実態に応じた適切な指導・支援の難しさ。
★今後の学級活動には、自発的、自治的な活動としての「活動系」のほかに、日々の生活に生きて働く実践的な力を身につける「癒し系」の活動も考えられる。
★特別活動のねらいから考えられる「癒し系」には様々あるが、現状では構成的グループエンカウンターが取り組みやすい。
★構成的グループエンカウンターの要素を生かした活動のために(年間を見通したショートやミニエクササイズ、朝の会や帰りの会などすき間の時間を使って)。
ピアサポートによる学級づくり・学校づくり
★学校におけるピア・サポートは、すべての子どもたちに人間的能力(個人的能力と仲間能力)を身につけさせ、子どもたちどうしの助け合い・支え合いを可能にすることによって、学校全体を思いやりの共同体にする組織的な教育活動である。
★目指す学校は、暖かく、親しみやすく、規律正しく、勉強に集中しやすく、誰もが平等に扱われるような学校である。
総合的な学習の時間で学校行事を有機的に位置づける試み
★今まであった学校行事等の意味を再検討し、総合的な学習の時間のねらいと照らし合わせ、中学校三年間のスパンの中で、それら学校行事等を有機的に位置づける試みである。
★学校教育全体で、どのようにして教育目標実現に向かうのかを明らかにし、その中で学校行事等がどのように関わるのかを示した。
★学校行事等を、総合的な学習の時間の大きなねらいである「自らの生き方を探る」視点から、進路学習と地域学習という二つの柱で位置づけた。
★進路学習を広がりのあるものに、地域学習を深まりのあるものになるように組織づけした。
★当校職員が工夫を凝らし、具体案を作成し実践したものである。
中学校におけるボランティア体験学習
★中学校学習指導要領にある特別活動の内容の一つである「学校行事」に「(5)勤労生産・奉仕的行事」がある。学校行事は学校または学年全体で取り組むものとされているが、そのための十分な時間を確保することは難しい。そこで、地域連携型組織が特別活動の趣旨を生かしながら、中学生を対象に行っているボランティア体験学習を紹介したい。
★全校生徒に授業時間内で説明や研修を行い、参加は生徒の自発性に任せ、夏休みと春休み期間に行う。約四割の生徒が参加を希望し、運営に携わる実行委員会への生徒の応募も年々増えるなど、生徒に浸透しつつあると考える。
連載
教育評価再入門(13) 「評価の目的-形成的評価と総括的評価」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
---|---|
私が行っている継続可能な目標準拠評価(2) 小学校理科 | 東京都江戸川区立中小岩小学校教諭 高橋 修 |
私が行っている継続可能な目標準拠評価(2) 中学校理科 | 東京都江戸川区立中小岩小学校教諭 高橋 修 |
新しい教育評価の動向/主要論文の解説(7) P.ブラック&D.ウィリアム | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
標準学力検査を活用した教育実践(11) 「人づくりは学力向上から(2)NRTの実施と学習実態調査」 | 岩手県一関市教育研究所学習指導専門員 茂庭 フヨ |
どうする?小学校英語(3) 「英語活動は『生きる力』の源泉を育む活動である」 | 国立教育政策研究所名誉所員・2014年度戸田市英語教育運営指導委員会委員長 渡邉 寛治 |
だんわしつ | 神戸女子短期大学学長 長瀬 荘一 |
ひとりごと | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |