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特集
学校のチームワークを高める/なぜ学校にチームワークが求められるのか-学校心理学の立場から-
★学校には、「チーム学校」として子どもへの援助を行うことや、「発達への支援」を意識した生徒指導を行うことが求められています。学校心理学では、子どもの学校生活の問題解決と質の向上をめざして、援助者がチームになって援助します。チーム援助のあり方は、教師の子どもへの援助能力に影響を与え、それが子どもの学校生活に影響します。本稿では、チーム援助と、よりよいチームワークについて考えます。
学校のチームワークを高める/学校のチームワークと心理的安全性-学年主任の立場から-
★学校のチームワークを高めるためには、教職員の「心理的安全性」を確保する必要があります。心理的安全性の確保をめざすうえでリーダーが果たす役割は重要であり、リーダーには①土台をつくる、②参加を求める、③生産的に対応することが求められます。本稿では、公立小学校の教師として学年主任を務めることが多かった筆者が、心理的安全性を高めるために心がけてきたことを7点紹介します。
学校のチームワークを高める/学校のチームワークを高めるスクールカウンセラーの役割-心理の専門性を発揮してつながる・つなぐ-
★学校のチームワークを高めることは、スクールカウンセラー(以下、SC)の職務の一つである。SCが心理の専門性を発揮して「つながる・つなぐ」ことで、校内だけではなく、校外を含めた多職種連携チームを構築することもできる。また、学校、SC、教育委員会の協働によりチームの効果はアップする。学校のチームワークが高まることは、学校の支援力を向上させ、教職員といった支援者側のメリットにもなる。
学校のチームワークを高める/初任者をチームの一員に育てる-教員としてのエンゲージメントと教職スキルをどう高めるか-
★教職はやりがいがあり、自己を高めるすばらしい職業だが、不人気が続いている。教員採用試験の受験倍率は低く、離職率も高い。初任者を迎え入れ、独り立ちさせることが校長に課せられた重要課題である。そのためには、対症療法的な施策ではなく、学校の「常識」を見直し、社会全体で考えを改める必要がある。校内での工夫だけでなく、初任者の研修機会を保障し、職場の心理的安全性を高める施策が求められる。
学校のチームワークを高める/校内に対立がある学校のチームワークを高める-元校長の立場から-
★学校内でコンフリクト(対立・衝突)が生じたとき、タスク・コンフリクトか、リレーション・コンフリクトかを見きわめ、前者であれば、それを組織の活性化や成長機会と捉え、積極的に問題解決を図ろうとする考え方が重要である。その際、一方法として「二重関心モデル」に基づき意思決定をしていく学校風土をつくっていく。一方、リレーションシップ・コンフリクトであれば、まずは対立するそれぞれと対話を重ねリレーションを構築し、学校経営への貢献意識を高めていくことから始めていく。
学校のチームワークを高める/チームワークを高める校内研修-目的に立ち返る機会をつくるためにできること-
★校内研修を通して教職員のチームワークを高めるために、①「チームワーク」をどのように考えればよいかを整理し、②よりよい教職員集団を実現するために必要な環境設定(仕組みづくり)について考えます。
★それぞれにとっての居心地のよい世界のために、まじめに、遊び心を忘れずに、余白(あそび)をつくるために、シンプルで実践しやすいことを共に考えることをめざします。
学校のチームワークを高める/チームワークを高める職員室の工夫-環境を変えると働き方が変わる-
★教職員が働きやすい職員室環境をつくるための具体的な提案を、タックマンモデルに基づいて4段階で示し、各段階での具体的なアクションプランや実践事例を通じて、職員室改善の進め方を考察します。心理的安全性の確保、オープンな対話の促進、空間の有効活用、チームビルディングの手法などにより、教職員が自己実現を図り、協力し合う環境を整えることをめざします。
学校のチームワークを高める/ICT活用で教職員のチームワークを高める-教職員一人一人の個性を生かした授業づくり-
★Society5.0時代において、教員には自らも学び続ける姿勢とともに、子どもたちの個別最適な学びと協働的な学びを支える指導力が求められています。
★これからは、ベテラン・若手の区別なく、それぞれの個性や強みを生かし、深い教材理解と果断なチャレンジを融合させて協働的に授業づくりに取り組み、子どもたちの資質・能力を伸ばしていく必要があります。
学校のチームワークを高める/学校や地域を超えたチームワーク-異教科・異校種で取り組む授業研究-
★NPO法人エデュ・ネットワーク・プランは、教員の有志によるチームが、よりよい授業を創造するために自動詞的にスキルを磨き合うためのプラットフォームを運営しています。各地のチームをつなぐプラットフォームが、個の強みや多様性を生かした新たな枠組みとして、「相乗効果・専門性・互恵的関係」といったこれまでにない視点からチームワークを支えています。今後、さらなる多様な関係性の構築を生みだす可能性をデザインしていきます。
連載
巻頭言/チームワークを通して育まれる教師の専門性とは | 埼玉大学教授 北田 佳子 |
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ここまでは押さえたいⅡ目標準拠評価を教育に生かす(32)小学校1・2年の算数の評価基準 数学的な思考力等は学習内容に埋め込まれている | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
読解力の育成(小学校実践編)(21)リフレクション型国語科授業の展開(6)~説明文「花を見つける手がかり」(教育出版4年上)~ | 筑波大学附属小学校教諭 白坂洋一 |
協働学習が成り立つ学級集団づくり(1)授業づくりと学級集団づくりは一体である | 早稲田大学教授 河村 茂雄 |
言語技術としての「事実と意見の区別」(13)英国の教室で考える | 立教英国学院 羽田 徳士 文部科学省教科書調査官(体育) 渡辺哲司 |
教育の窓(71)新任教師の現状と身に付けてほしい資質・能力 | 福岡教育大学・九州栄養福祉大学非常勤講師(元福岡市立長尾中学校校長) 岸川 央 |
自伝的論考-学問的理論の発展と人間性教育(4)グローバル化による時代的変動と学びの改革 | 大阪教育大学名誉教授 北尾 倫彦 |
宿題と家庭学習(7)学校の教育環境と家庭学習 | 日本大学教授 山森 光陽 |
コーチングに学ぶ「対話力」(3)他責になりがちな先生との対話 | 「教と育」研究所代表 内藤睦夫 |
つなぐ・つながる支援(1)NPO法人子ども支援プラットフォームを立ち上げて | NPO法人子ども支援プラットフォーム代表・元共栄大学教授 和井田 節子 |