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特集
これからの学校経営と学校評価
★これからの学校経営は、裁量権限の拡大、責任の明確化、地域住民の参画、特色ある開かれた学校づくりなどのキーワードが示す方向にそった展開が求められ、経営戦略と学校経営計画と教育実践の一体化・具体化を図るマネジメントが問われることになる。
★学校経営をめぐる環境が変化し、説明責任という観点から、学校の自主的・自律的な活動が問われるようになり、学校評価も対応が求められるようになった。
★学校評価をめぐり、保護者に対する、また地域社会に対する学校の情報発信のあり方が問われており、新たな関係づくりを図る取り組みが求められている。
学校経営と外部評価
★学校経営とは、学校の中枢に向けて周辺の人々を巻き込んでいく渦巻きのような営みである。その渦巻きの内部においては協働的な活動が展開し、渦巻きの周辺では協働のための対話と評価が繰り広げられていく。
★渦巻きのすぐ周辺の、これから学校にかかわっていこうとしている人々による評価が、初めの外部評価となる。その外縁には、本来は内部にいるべきなのに傍観している人々や、まったくの部外者が散在している。
★学校が協働参画型のコミュニティスクールに進化していくために、そうした人々の垣根を取り払い、学校の内へといざなう協働化促進のツールとして、学校評価が再企画されることを期待したい。
保護者からの評価を学校経営にどう生かすか
★「保護者評価」を生かす大前提として、学校側が保護者にきちんと考えを示していることが大切である。その方法を具体的に示した。
★評価処理については、「SQS」という「普通紙マークシート式調査ソフト」を活用している本校の取組を紹介する。集計処理の時間が、これまでの百分の一になったと言っても過言ではない。
★評価の生かし方の例として、「昨年度までの評価データと比較して分析する」「学校評議委員会で協議する」「改善項目と担当者を指定する」「PTA総会で発表する」の四つの例を示した。
学力調査の結果を学校経営にどう生かすか
★学力調査は、子どもの学力を知るのに大切なものである。世の中の一部のデータでさかんになった「学力低下議論」を横目に見て、じっくり積み重ねることが重要である。
★今回は、子どもの成績が劣る教科を見つけて、思い切った施策をすることの有効性を考えた。習熟度別学習の国語ではワークシートの作成、算数では中学校の教師の参加を考え、理科で観察実験を重視した。さらに、夏季休業中にTT教師による「夏休み算数教室」を十八回実施した例を示した。
★同時に、「教師の研修」を考えた。学力調査のテストを分析し、観点別の問題についても考え、自作のテストまでさせることによって「観点別」を意識した学習活動が実施され、授業が改善される。
学校選択制における学校評価のねらい
★外部評価(学校評価)の導入は、これまでなかなか踏み込めなかった学校の体質や慣例を転換することをねらいとしている。
★特色ある学校づくりを推進するためには、「学校選択制」だけでなく、外部評価やほかの施策との体系化を図らなければ効果は望めない。
★外部評価委員の評価能力の向上に合わせ、外部評価の項目・設問を改訂していく必要がある。
★学校選択制における外部評価は、結果よりも課題解決に向けた管理職の姿勢を重視する。
教師力を高める学校経営と学校評価
★学校教育の充実は、つまるところ教師の指導力である。
★本校では、全教員が年三回、研究授業を行う。研究授業では、子どもの学びの姿から指導のあり方を考えることを最も重視している。
★また、教師の協働性を重視し、とくに学年団を中心に取り組んでいる。1.国語・算数の二教科では、一年の前半は教科部会で研究して公開研究会を行い、後半は学年部会で研究を深める。2.学び合う授業で基盤となる学習態度や学級の人間関係を学年団で交流しながら計画的に育てる。3.学年ごとに、TTや少人数授業の指導の打ち合わせや補充学習を行う。
教職大学院のめざすもの
★教職大学院は、義務教育改革の一環である教員の資質向上策の一つとして設定されるものであり、スクールリーダーの養成を目標としている。
★スクールリーダーは管理職を直接指すものではなく、学校および一定地域における実践のリーダーやコーディネーター役が期待される。教員層の中では中堅教員層にあたる。
★教職大学院の創設によって、教員養成、教員研修の改革が促進されることが期待される。
教員免許更新制と教師力向上戦略
★現在議論されている教員免許更新制は、大学の教職課程を教員として最小限必要な資質能力を確実に身につけさせるものにすること、養成段階で身につけた教員としての資質能力を教職生活の全体を通じて保持していくと同時に、その時々で求められる教員として必要な資質能力が確実に保持されるよう、必要な刷新を行うことをあわせて求めることとしている。
★教員は、更新講習を受講することで免許を更新できると考えるよりも、更新講習が求める内容や自らの力量を高めるための学びを不断に実践することが重要である。
連載
坪田耕三先生の基礎・基本を学ぶ小学校算数の授業づくり 「わかる」と「できる」-基礎・基本の考え方(10)かけ算 | 青山学院大学教授 坪田 耕三 |
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読解力を育てる(4) 読解力促進のための朗読聴取 | 聖徳大学短期大学部準教授 藪中 征代 |
望ましい全国学力調査のあり方を考える(6) イギリスのAPU調査を参考として-APU調査から参考にすべきこと | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
ペーパーテストで思考力・表現力を測る(10) 中学校社会科(2)-歴史的分野 | 富山県高岡市立芳野中学校教諭 関原 秀明 |
私の教育評価実践(14) 「表現力測定用紙作成の試み」 | 福島県伊達市立冨野小学校長 八島 喜一 |
豊かな人間性を育てる授業シリーズ 「豊かな人間性を育てる授業の特徴」 | 教育臨床研究機構理事長 中野 良顯 |
だんわしつ 教育再生会議の第一次答申を読んで | 教育臨床研究機構理事長 中野 良顯 |
ひとりごと | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |