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特集
❶2020年度をどう締めくくるか/2020年度をどう締めくくるか
★今年の状況下であっても、キーワードは「学びを止めない」。
★基本は「教えて考えさせる授業(OKJ)」①休校中の家庭学習課題もOKJ、②学校再開後も、主体的・対話的で深い学びをめざすOKJ、③Zoomも活用して、例年どおり(それ以上)の校内研究の実施、④児童の心を育む「縦割り班活動」も感染防止対策を施したうえで実施。
❶2020年度をどう締めくくるか/主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)はできたか
★この1年の主体的・対話的で深い学びの取組を見るポイントは、ウィズコロナにおける対話的な学びをどのように実施できたかにあるだろう。ソーシャルディスタンスをとり、マスクを常時着用して対話的な学びを行うのである。他方で、GIGAスクール構想に基づくICTの利用、個別最適な学び・協働的な学びをはじめとする「令和の日本型学校教育」など、政府の教育施策がさらに加速した年でもあった。
❶2020年度をどう締めくくるか/主体的・対話的で深い学びはできたか
★主体的・対話的で深い学びは、学習を重点化することで評価すべきことも明確になるため、必ず実現できる。
★月ごとに1週間単位の指導と評価の計画を提示し、この学習でどのような力がつくのか、この学習はどのような学習につながっていくのか、何を生徒に期待しているのかなど、生徒が学習の意味や意義を理解し、目標を見すえて課題に取り組み、効果的な自己評価や振り返りができる環境を整えることが重要。
❶2020年度をどう締めくくるか/「マインドマップ」を生かした指導と評価
★平成27年度より本校数学科では2種類の「マインドマップ」により、単元の振り返りを行っています。他教科でも、呼び名は違っても単元を俯瞰し、自分の言葉でまとめるような取組がなされており、学校全体で「学びの意味化」への道を歩んできたことに支えられています。
★「あのときの学習は、この問題を解くのに役立っている」とか「あの単元で学んだことがこの単元のここにつながっている」ということが理解できたとき、日々の数学の授業が生徒にとって価値あるもの、意味あるものとなると信じています。
❶2020年度をどう締めくくるか/生徒1人1人が学び方を手に入れるために
★これまでの学校は、教師の長年の指導技術に頼り、児童生徒の認知の傾向や教師個々の指導の分析に鋭いメスを入れられずにいた。従来型の指導方法で、全体指導をしても、毎年同じ課題をかかえてしまう。いまこそ、学校全体での取組で、学習集団と指導技術を客観的に見直し、効率的・継続的指導を実現させる必要がある。児童生徒にとって個別最適化された学習の実現はそこにかかっている。
❶2020年度をどう締めくくるか/笑う学校には福来る-温かい笑顔あふれる「快の教育」のすすめ-
★児童生徒の自殺者数が昨年より増加傾向にある。臨時休業が始まったときから危惧されていたが、不登校、いじめ、虐待、うつも増加傾向にあると想像される。自殺、不登校、いじめ等に、学校が適切に対応し、子どもたちの「生きる力」を育成することが求められている。
★本校は、このコロナ禍という異常事態に、「寄り添いつながる教育」「新しい発想による新しい教育」「快の教育」等を創造し実践しつづけてきた。
❶2020年度をどう締めくくるか/コロナ禍で進化したチーム学校と生徒指導力
★政府の要請により、全国ほとんどの学校が、昨年3月2日から5月末まで臨時休業となった。未曾有の事態を経て、子どもたちは高いストレスの状態で学校が再開、折しもネットやTV等のマスメディアからは真偽不明の情報が氾濫していた。学校現場の先生方は、情報を整理し、コロナ禍での学力保証、不登校やいじめ問題などの課題にチーム学校として真摯に対応した。このことが、学校の生徒指導力の向上につながったと考えたい。
❶2020年度をどう締めくくるか/2020年度を新たな不登校対応元年に
★オンラインや対面等のさまざまな授業方法を組み合わせ、それらを評価・単位認定していくなど、学校教育そのものがもっと柔軟性をもつことが重要である。それらの整備の中で、不登校の子どもたちへの支援として、とくに中期、後期でのICTの活用は大きな意味がある。また、そのような教育環境の整備そのものが、ユニバーサルデザインの考え方にも通じる方向性をもつものであり、今後の社会にとってより重要なものとなるであろう。
❶2020年度をどう締めくくるか/特別支援教育の視点からの報告
★特別支援教育の対象とされる児童生徒数は増加傾向にある。2020年度に展開されたわが国の教育施策の主要ポイントとして「切れ目ない支援体制の整備充実」(端的に言えば「縦と横の連携」)が掲げられ、「就学前期の支援体制」「医療ケア実施体制」「ICT活用と教科書等のデジタル教材」「学校と福祉機関の連携」「教職員の資質向上」がすすめられた。未曾有のコロナ禍の中で、特別支援教育による実践の現況について報告する。
❶2020年度をどう締めくくるか/コロナ禍のもとでの学級経営と学級終い
★2020年度は新型コロナ感染症の影響を受け、1年を通して感染予防対策として教師と子どもにはマスクの着用やソーシャルディスタンスの保持が求められた。学級生活では座席配置が固定されるなど教育活動が制限された。
★このように子どもどうしのかかわり、子どもと教師のかかわりが例年とは異なる1年であったが、学級の締めくくりに求められる要素は大きく変わらない。コロナ禍の制限された中での学級終いのあり方について考えを示す。
❶2020年度をどう締めくくるか/生徒保健委員会で取り組む新型コロナウイルス対策-自分を守ろう!家族を守ろう!学校を守ろう!
★またたく間に世界に広がったコロナ禍の中では、生徒たちが感染症から自分たちを守るための知識とスキルを身につけ、思考力、判断力を高めてより適切に行動選択をすることが求められている。
★養護教諭として、生徒保健委員を学校やクラスを守る健康リーダーに育てている。当事者意識をもって、そのつど気づいたことを積み重ねた実践を、学校保健委員会の発表の形で紹介したい。
今月のイチオシ!!ここまでは押さえたい学習評価(11)ハイステイクスと評価
★評価の結果が生徒の将来に影響するようなテスト(大学入試・高校入試など)をハイステイクスなテストとよぶ。こうしたテストには、教師はよい結果を出すため「テストに向けた学習指導」を行うことになる。テストに出る内容やテスト形式にそった学習指導である。ハイステイクスなテストは学習に与える影響が大きいため、できるだけ育成をめざす学力を評価(測定)できるテストであることが望ましい。
★現状では、大学入試の2次に論述入試があるとしても、実態はまずはセンター試験突破であり、多肢選択式のセンター試験(今年から共通テスト)で高得点を取るための学習に多くを費やされる。この弊害は、表現力が測れないこと、自分で正解を考えずにすむことなどで、いま育成をめざす学力が十分測れない。世界の実態と比べると、たいへん憂慮すべきである。
★パフォーマンス評価でなければ十分に測れない学力があり(英語の「話すこと」、社会の調査レポート、理科の実験・観察技能、国語の小論文やエッセイなど)、授業を通して測るべきだ。それを通して教師の評価力も上がっていく。そしてその評価結果を入試で活用すべきだ。
★ハイステイクスな評価を学校が教師で行う場合、いくつかの方法がある。世界の実態を知り、研究すべきだ。
連載
小学校英語の総括的評価(3)読むこと | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
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巻頭言/無力感を超える-福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校訪問記 | 立教大学名誉教授・自由学園最高学部長 渡辺憲司 |
「主体的・対話的で深い学び」を創る(20)小学校算数-「面積」の学習における見方・考え方のつながり | 明星小学校副校長・前筑波大学附属小学校副校長 夏坂 哲志 |
新しい教育評価の動向/主要論文の概説(62)細尾萌子・夏目達也・大場淳編著「フランスのバカロレアにみる論述型大学入試に向けた思考力・表現力の育成」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
教育相談はこう学ぶ!-全国各地の特色ある教育相談研修-(24)困難を有する高校生への個に応じた支援を目指して | 東京都教育庁地域教育支援部主任社会教育主事 梶野光信 |
「概念」を教える・学ぶ(11)概念の判別 | 東京学芸大学名誉教授 河野義章 |
知的交流を取り入れたSGE(6)学校現場の模索-栃木県那須町立高久小学校の研究から- | 東京聖栄大学教授 岡田 弘 |
生徒指導は人間関係づくりから(5)178人目の卒業式 | 福岡教育大学・九州栄養福祉大学非常勤講師(元福岡市立長尾中学校校長) 岸川 央 |