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特集
目標準拠評価へのわが校の取り組み 評価基準の作成と活用
★評価を的確・適切に行う前提として、教育課程や年間指導計画などの学校の教育計画が、保護者や地域の人々の理解を得てきちんと作成されていることが必要である。
★自校における評価の考え方についての研修を深め、評価基準や評価方法についての共通理解を徹底させることが大切である。
★評価基準を活用する授業研究を全教師が行うとともに、その成果を日常の授業で生かし、自他の評価能力を向上させることが必要であり、学校の重要な課題である。
★日常の評価記録を蓄積するとともに、それらを通知表や指導要録に集約する方法を学校として統一することが大切であり、今後の学校の取り組みの課題である。
目標準拠評価へのわが校の取り組み 目標準拠評価の実施の手順と今後の課題
★新しい評価の考え方の中で、「学力」のとらえ方の共通理解がカギを握る。
★実施の手順については、国立教育政策研究所の「評価規準の作成、評価方法の工夫の改善のための参考資料」をもとに、各校の実態に即して作成していく。
★学校によって評価・評定のカッティングポイントに差が出るのは当然である。評価をつけた根拠を具体的に説明できるようにしておくことが大切である。
★重みづけについても、教科部会の判断ではなく、学校としての共通理解が、説明責任に結びつく。
★評価の記録については、パソコンを使用することを前提に、無理なく継続して累積できる具体的な基準まで検討する必要がある。
★評定「1」「2」は、評定する側のの責任が問われることを自覚し、努力を要する生徒への手だてを講じることが、学力向上につながる。
★指導と評価の一体化を目指した授業改善を行い、ねらいは生徒理解にあることを忘れてはならない。
目標準拠評価へのわが校の取り組み 多様な学習活動を設定し、おおらかな評価をめざす
★昨年度まで文部科学省調査研究の委嘱を受けていた。その研究組織を生かして校内研修を推進している。
★まずは教師の意識改革。その上で本年度は、使えるものは使いながら実践を通して修正を加えている。
★各教科に問題解決型の学習を取り入れる。授業が変わるから評価も変わる。授業のねらいを明確にして、一人一人の生徒に「確かな学力」を育む。
★次年度に向けた準備として、シラバスを全家庭に配布し、説明責任を果たすと共に、生徒に学ぶ目的を見につけさせる。
目標準拠評価へのわが校の取り組み 教師の複数性をどう克服するか
★一月号では語れなかった側面、「評価をする側の教師の複数性をどう克服するか」が論点となる。キーワードは「融合」であり、本校では、「ダブルコンストラクション理論」と名付けて実践している。これは単に社会科のみならず、他教科はもちろん日常世界のあらゆる場面に適用できる。
★ただし、問題解決的な学習を行うことが前提である。
★現在の学校教育における評価についての本質的な問題点とは何か、をあらためて問い直し、解明する。その上で解決への道を模索していけばほとんどの問題は解消しうると考える。
目標準拠評価へのわが校の取り組み 四観点ごとに資料の重みを考えて収集し、小単元の評価をその後の指導に生かす
★評価を考える前提に、その学校ではどのような生徒を育成したいのか、どのような教育課程を編成したのか、どのような指導方法をとったのかということがある。それらを踏まえてはじめて評価が意味をもってくる。
★評価を効果的に行うには、評価規準・基準の設定が肝要である。規準・基準とも、実際に生徒を指導している教師がより具体的なものを作成する必要がある。柔軟な評価計画を立てておき、実践しながらより妥当性の高いものに作りかえていくことがよいと思われる。
★評定は評価規準に従って行うが、機械的になりすぎないように注意したい。客観性を高める工夫は必要だが、それは必ずしも機械的ということを意味しない。
目標準拠評価への東京都としての取り組み 都内公立中学校第3学年1学期の評定状況の調査結果の公表
★目標に準拠した評価の信頼性・客観性の確保のために、区市町村教育委員会が調査書の原簿となる成績一覧表を調査する委員会を設置するとともに、その業務内容を見直しした。
★中学校第3学年1学期の評定状況を把握する「予備調査」を実施し、その結果を都民に公表した。予備調査結果は、全体的には目標に準拠した評価をおおむね適正に実施していたが、一部の学校では特異な分布が見られた。
★区市教育委員会における予備調査の事前・事後の指導助言のもとに、各中学校は評価・評定を行った。
★中学校第三学年12月31日現在の調査(本調査)にむけて、各中学校では区市教委区委員会等の指導等を踏まえ、評価基準の改善充実を図るとともに、生徒・保護者への説明と都民への公開を進める。
目標基準準拠評価と標準学力検査CRT
★指導要録の全面的な改定が行われ、「各教科の学習の記録」欄においては、目標準拠評価へと軸足が移された。このような状況にあって、目標基準準拠検査である教研式CRTを改訂し新版とした。
★教研式CRTは標準学力検査であり、標準化に際しては、厳密な手続きをとっている。
★CRTでは、観点別実現状況の評定は指数に換算して求めている。
★CRTを実施すると、様々に有効利用が可能な資料が得られる。
★CRTの結果に、他の評価資料から得られる情報を総合し「観点別学習状況」・「評定」欄に記入していくことができる。
連載
教育評価再入門(11) 「新しい評価方法とその背景」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
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目標準拠評価を押し進めるために(4) 「エッセンシャル・クエスチョン」 | 帝京平成大学教授 白鳥 信義 |
標準学力検査を活用した教育実践(9) 「標準学力検査CRTのフィードバック・フィードフォワードとしての活用」 | 兵庫県宍栗市立千種小学校主幹教諭 須藤 真 |
どうする?小学校英語(2) 「小学校英語は英語活動であって、英語の勉強ではない」 | 国立教育政策研究所名誉所員・2014年度戸田市英語教育運営指導委員会委員長 渡邉 寛治 |
総合的な学習の実践と評価(17) 「評価活動で学習が変わる!子供が変わる!」 | 兵庫県西宮市立夙川小学校教諭 牧野 天志 |
だんわしつ | 元栃木県鹿沼市立東中学校長 鈴木 節也 |
ひとりごと | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |