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特集
校内研修を学校経営の中心に
★浜之郷小学校では、校内研修を学校経営の中核においている。校内研修の充実を図るためには、「同僚性」の確立と「自立性」の樹立が不可欠である。開校六年目の今では年間一五〇回以上の授業研究が行われるまでになった。
★そのために、授業研究の改革とあわせて、学校のシステムを改革していった。校務分掌のどこをどのように変えたのか、校長、教頭、教務主任、研修主任の役割や、養護教諭の役割の重要性など具体的な取り組みについて報告する。
校内研修における校長・教頭の役割
★校内研修とは、学校管理職と教師が知識や情報を共有し、学校教育を考える基盤づくりをすること。
★校長は、教員が説明責任を果たせるよう教育し、研修させる義務を負う。
★校長には教育的リーダーシップ、管理運営的リーダーシップ、心理的リーダーシップが期待される。問われるのは、それを心がける真摯な生き方。
★研修の趣旨や目的に応じて講演型、ワークショップ型、事例研究型、スキルアップ型、提案型、報告型を選択する。学校管理職の出番は、各スタイルにより異なる。
★学校管理職が自己反省的に研修することにより、良いトップダウンが可能になる。
校内研修における研究主任の役割
★教師にとって学校という場は「教育の場」であるとともに、教師の「学びの場」、教師どうしの「学び合いの場」でもある。研究主任は教師の「学びの土壌づくり」の中心とならなくてはならない。
★教育の場において、「研究」は「研修」によってはじめて実践の指針となり、「研修」は「研究」によってその質を高めることが可能となる。
★研究主任は、その学校の教育実践や研究蓄積に立脚しながら、研究・研修の計画・推進・まとめの段階において中心的な役割を果たさなければならない。その際、教員間の学び合う雰囲気づくり、教員一人ひとりの個性の尊重、研究授業の開催や研究成果の記録・保存・継承と新たな実践の蓄積を重視しなくては鳴らない。
ひとりひとりを生かす授業研究
★子どもひとりひとりの主体性を育てることを目指して、個に応じ、個を生かす授業研究を積み重ねている。
★学校計画の核に校内研修をすえて、全校体制で子ども理解に努めている。しかし、その方法はそれぞれの教師に任され、それぞれの持ち味を生かして取り組んでいる。
★子ども理解と、個に応じた授業づくりのための手だてとして、1「カルテ」・・・子どもの「おやっ」と思った表れや教師の解釈を書きとめていく。2「座席表」・・・ある時点で立ち止まって、ひとりひとりのとらえを一枚の座席表に書き写し、全体とのかかわりの中でとらえ直していく。3「座席表指導案」・・・個の思考や研究を想定してふく線化した展開と、子どものとらえや願いを記した座席表を組み合わせ、子どもの思いに寄り添った授業を求めていく。
★事後研では、徹底して子どもの姿で授業を分析し合う。
「小さな工夫」で学校の活性化を
★全体研修会を工夫することにより現状の改善や新しい教育への挑戦が可能になる。
★自主研修会を工夫することにより、会議の時間の短縮や早急な課題に対応できる。
★研修紀要の作成を通じて、教師のやる気を育てるとともに、自校の特色を広く教育界に知らせることができる。
★教師の特技を生かす活動を通じて、教師としての指導力の向上が図れる。
進路指導面を中心にした校内研修
★川越高校の校内研修は進路指導研修を中心に行われてきた。本校の進路指導の要諦は担任の個人面談におけるより詳細な学習指導方法や三年次での受験指導・出願指導に重点が置かれてきた。このことが、「くっつき学習」「居残り学習」「廊下学習」といわれる、本校独自の職員・生徒のコミュニケーションを重視する学習・進路指導体制を支えてきた。
★近年、進路指導の体系化・組織化が確立され、より総合的で高度な進路指導の必要性が生じてきた。今後は、担任団だけでなく、全職員を対象としたより総合的かつ高度な進路指導研修が求められる。
校内研修をサポートする行政研修の機能
★行政主催の教職に関する研修は、教育行政の方針や施策の伝達・実施という流れの中で、必要性から義務的に行われることがある。それを教師の意欲的な実践に結びつけていくために、ディスカッション活動の充実、参加体験型活動の実施、選択制の導入、所員の指導の工夫などが考えられている。
★校内研修をサポートする目的では、各学校の研修推進者の専門性を高めたり、直接に校内研修を支援したり、校内研修のためにセンターの機能を提供したりするなど、いくつかの方策が実施されている。
問題解決型校内研修の一方法
★自校のかかえる問題や喫緊の課題に焦点を当てた直接的、実質的な研修が必要である。
★問題解決型の研修は、問題の発見、問題の共有化と原因追及、解決策づくり、解決策の実施準備の四つのステップで行う。
★収束思考のKJ法と、発散思考のブレーンストーミング法を活用して話し合いを進める。
連載
私が行っている継続可能な目標準拠評価(7) 小学校図画工作 | 東京都台東区立平成小学校教諭 安倍 啓斎 |
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私が行っている継続可能な目標準拠評価(7) 中学校美術 | 横浜国立大学附属横浜中学校教諭 三浦 匡 |
小学校算数の基礎・基本の指導と評価(6) 子どもたちが能動的になる瞬間(1) | 元筑波大学附属小学校教諭 正木 孝昌 |
教科におけるポートフォリオの活用-目標準拠評価を充実させるために(1) 学力評価計画の作り方 | 京都大学准教授 西岡 加名恵 |
自己評価の肥沃な大地(1) | 二葉看護学院ほか非常勤講師 小田 勝己 |
どうする?小学校英語(6) 「英語活動のプロデューサーは担任!」 | 国立教育政策研究所名誉所員・2014年度戸田市英語教育運営指導委員会委員長 渡邉 寛治 |
中学校の総合的な学習と選択教科の実践(6) 連載五校が提起する中学校教育課程の課題 | 神戸女子短期大学学長 長瀬 荘一 |
だんわしつ | 平山 裕人 |
ひとりごと | 元公立中学校教諭 吉冨 久人 |