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特集
臨時休業による学習の遅れを取り戻す
★社会全体が長期間にわたり、新型コロナウイルス感染症とともに生きていかなければならない状況下においては、感染症対策と子供たちの健やかな学びの保障の両立が重要である。文部科学省では、次年度以降を見通した教育課程編成や学校の授業における学習活動の重点化等による効果的な学習保障のための学習指導の考え方の明確化や、国全体の学習保障に必要な人的・物的支援等により、子供たちの学びの保障を推進している。
「ゆるい学校」を受け入れ、「楽しい学習」を
★子どもたちがストレスが高い状態で「マイナスからのスタート」となる休校明けの学校においては、強制がなくても成立する「ゆるい学校」像が描かれるべきで、どの子どもも期待を持続できるような「楽しい学習」が必要である。そのためには、何回かに一回でも子どもが楽しいと考えられる授業を行うこと、少数派の子どもに配慮すること、さらにオンラインツールの積極的な活用が求められる。
自ら学びを進めるための身に付けさせたい3つの学習習慣
★新型ウイルスの拡大に伴う休校が、家庭学習で取り組まなければならないたくさんの学習課題を子どもたちにもたらした。そこには、それを真面目にこなし、自ら学びを進めるすばらしい子どもたちの姿があった。しかしその一方、「知識の注入」という「悪しき学習習慣」を身に付けてしまったことも危惧されている。そんな休校明けの今だからこそ、「自ら学びを進めるための身に付けさせたい学習習慣」についてあらためて考えてみたい。
休校中・休校明けの学校経営のポイント
★日々刻々と状況が変わる新型コロナウイルスへの対応には、保護者の思いや願いを的確につかみ、先読みをしながら想像力をもって迅速に対応することが大切。
★新型コロナウイルスに多面的に対応することや適切な児童支援を行ううえで、全方位的にオープンマインドな姿勢で保護者や企業等と協働していくことが大切。
休校明けの学級経営-4つの視点から
★日常の学級経営における考え方が、休校明けの学級経営でも基本になる。東日本大震災の際の学校再開の取り組みでは、子どもたちの様子を見取り、それに適した支援が行われた。「日常性の回復」「制限ある中での工夫した活動」「全員への教師の声がけ」「子どもの内面への着目」といった取り組みが休校明けの学級経営では大切になってくる。その具体的な支援のヒントは、子どもたちの行動の中にある。
感染防止に留意したグループアプローチ
★感染防止に留意することは学校において必須である。一方、児童生徒の主体的・対話的で深い学びにはグループアプローチが効果的である。感染防止に留意しつつグループアプローチをどのように実施するか、北海道教育カウンセラー協会で取り組んだオンライン会議システムの活用方法の研究、分散登校時に実施した構成的グループエンカウンターの実際、学校再開後に実施してきたショートエクササイズの効果を、実践事例を交えて述べる。
休校明けのスクールカウンセリング
★休校中は保護者が宿題をさせる負担と体罰に関する相談が増えた。そこで、子どもがいつでもSOSを出せる体制をつくらなければならない。アンケートや面談を行って子どもたちのケアに努めているが、子どもが本音を打ち明けるためには、教員の「聴き方」の工夫が重要である。精神症状のある児童生徒には病院受診と薬物療法が必要である。
★子どもたちや保護者を助ける鍵は、人のつながりと支え合いの力である。
休校明けのいじめ防止・対応
★休校明けの学校では、いじめへの対策も感染症の流行という特殊な状況を考慮しなければならない。学校の現場では、新しい生活様式の指導をはじめ、人権問題を含む多くの課題をかかえながら、どういじめを防止していけるのかが問われるだろう。
★そこで本稿では、感染症の不安と仲間づくりの問題に整理し、仲間を大切にする気持ちを根幹にした、包括的ないじめ防止対策として、学校現場の実践例をあげて論じた。
発達障害のある子への休校明けの支援
★発達障害の子どもたちの支援を考えるうえでは、彼らの特性を十分に理解することが重要である。本稿では、休校中の状況と子どもの特性を踏まえ、起こりやすい問題と具体的な支援方法について概観する。
★新型コロナウイルスがもたらす影響は個別性が高く、とくに子どもは、家族の状況(経済状態・家族構成・親和的環境か否か、保護者の持病や精神状態等)により強い影響を受けることを念頭に置いたうえで、個別的な対応を行うことが必要である。
休校明けの家庭支援
★スクールソーシャルワーカー活用事業は平成20年に導入が始まり13年目となる。この度の災害ともいえる事態に対して家庭に起こりうることを想定し、予防・早期発見・早期支援を目的としてSSWが活動した5か月間の県内の取り組みを報告する。
今月のイチオシ!!ここまでは押さえたい学習評価(6)学習観と評価
キーワード:伝統的な学習観(分割可能性に基づくブロック積み学習モデル、非文脈化)、伝統的学習観への反省、パフォーマンス評価(諸能力を統合して実際にできるか評価する)、転移可能性の低さ(文脈依存)、構成主義の学習観、足場組評価(オーセンティック評価)
連載
いまこそ、自立した学習者を育てる | 東京大学名誉教授・帝京大学中学校高等学校校長 市川 伸一 |
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小学校英語の指導と形成的評価(4)思考力、判断力、表現力等の指導と評価:表出技能(小学校段階で求められる話すこと・書くことの指導と評価) | 新潟大学教授 松沢 伸二 |
「主体的・対話的で深い学び」を創る(16)小学校社会第6学年 日本国憲法「つかむ-調べる-まとめる-いかす」の学びの過程の中で | 高松市立川東小学校 黒田拓志 |
中学校社会科で主体的・対話的で深い学びを創る(5)「問題解決的な学習」を通して、他者と学び合う力を鍛え上げる社会科学習の研究-発表活動 | 高松市立川東小学校 黒田拓志 |
新しい教育評価の動向/主要論文の概説(59)カミング「クイーンズランド州の後期中等教育の評価とスタンダード設定:社会的文脈とパラダイムの変化」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
教育統計・測定入門(88)マルチレベルモデルを用いた研究事例 | 法政大学教授 服部 環 |
教育相談はこう学ぶ!-全国各地の特色ある教育相談研修(19) 受講しやすく、ニーズに応じた研修になるように | 富山県総合教育センター教育相談部長 中川邦章 |
「概念」を教える・学ぶ(6)概念学習のための認知学習活動の分類基準 | 東京学芸大学名誉教授 河野義章 |
知的交流を取り入れたSGE(1)授業とSGE | 北海商科大学教授 大友 秀人 |