交流及び共同学習をどうするか?
インクルーシブ教育が掲げられ,さまざまな子どもたちが共に学ぶ時代に,
教師は,個々の障害について,子どもたちに,何を,いつ,どこまで教えたら
よいのでしょうか。
また,無意識のうちに子どもの認識を歪めてしまう,
不適切な教育や教師の日常のかかわりとは,どのようなものなのでしょうか。
障害理解教育では,障害や障害者との接し方について,適切な知識を具体的に学びます。
幼稚園,小学校,中学校における,障害種別の35の具体的実践例。
教科,道徳教育,総合的な学習(福祉教育など),交流教育,共同学習の必携書。
目次
第1部 理論編1 障害理解教育とは
1 障害理解とは何か
2 障害理解教育の目的
3 障害理解とヒューマニズム
4 障害理解と障害者理解
5 障害理解と障害者が求める理解
2 障害理解の発達段階
表 障害理解の発達段階
3 障害者に対する偏見や誤解はなぜ生まれるのか
1 障害者に対する偏見や誤解
2 偏見や誤解が生じる原因
4 不適切な障害理解を生じさせる教育や活動の例
1 障害者の苦労・苦悩の強調
2 美談仕立てのストーリー
3 取り上げる障害者の偏り
4 教科書・副読本における内容の偏り
5 安易なシミュレーション体験の実施
6 盲導犬,点字,手話,車いすの学習の仕方
7 不適切な内容の障害者の講話
8 評価を意識して子どもたちが本音を言えない
9 「同情してはいけない」「障害がある人もない人も同じだ」と説く
第2部
1 身体障害に関する理解教育
1 身体障害の基礎知識
2 身体障害に関する理解教育の段階
(幼児向き)
1 世の中には自分とは違う特徴のあるさまざまな人がいる
2 障害者は工夫や支援があれば自分たちと変わらない生活が送れる
3 よい子にしていることと障害は関係がない ―障害の永続性―
(小学校低学年向き)
4 見えなくても,わかることがたくさんある
5 盲導犬とその使用者
6 手話とその使用者
7 車いすとその使用者
8 音声に頼らずに情報を得るための方法
9 車いす使用者は障害物や段差に困る
(小学校高学年向き)
10 点字の触読体験
11 聴覚障害者とどのように話をすればよいのか
12 後ろから声をかけられたり,耳元で大きな声を出されると困る
13 自分たちが生活する町の中のバリアと工夫
14 視覚障害者のための生活上の工夫
15 肢体不自由のある人が日常生活で行っている工夫
(中学生向き)
16 点字ブロック上の障害物
17 みんなが話している内容がわからないと疎外感がある
18 視覚障害者の手引きの仕方
19 車いす使用者に対する介助方法
20 障害のある人と共に生きるために
21 障害者は社会参加を阻まれることがある
2 発達障害・知的障害に関する理解
1 発達障害の基礎知識
2 発達障害に関する理解教育の段階
(幼児向き)
22 個別のケースの理解①
すぐに叩いたりかみついたりする子ども
23 個別のケースの理解②
保育室から無断で出て行ってしまう子ども
24 個別のケースの理解③
こだわりの強い子ども
(小学校低学年向き)
25 ゆっくり成長する人がいる
26 どうすれば相手に伝わるのかな?
27 がんばってもうまくいかないことを責められると悲しい
28 どうして同じようにできないの?
(小学校高学年向き)
29 注意を集中することが苦手な子
30 交流で困ることとその解決法
31 刺激のとらえ方が違う人への接し方や配慮
(中学校向き)
32 知的障害のある人のためのバリアフリー
33 発達障害ってどういうこと?
34 知的障害のある人と共に生きる
35 発達障害のある人と共に生きる