学力低下論から派生した「確かな学力」をめぐって、現代社会における学力のあり方を再検討し、教師の実践的指導力を追究する。
目次
第1部 現代社会における学びと指導のあり方1 現代社会における学びのあり方
1 「関心・意欲」から「確かな学力」の重視への転換
2 国際学力調査から見た日本の子どもたちの学力
3 基礎的なものの検討
4 現代社会に期待される学びの具体像
2 学力問題の危機の位相
1 何が問題か-実態の確認
2 「学力低下」論争とその対策は何をもたらしたか
3 21世紀の学力の展望
4 カリキュラムと学びの実践的・理論的問題
3 新しい学力 メディアリテラシーの育成
1 メディアリテラシー それは新しい学力であるのか
2 メディアリテラシー 問い直しの視点
3 メディアリテラシー の問い直し
4 サイバーリテラシーの提案
4 習熟度別学習指導という教育方法
1 教育方法の一つである習熟度別指導
2 A小学校における事例研究
3 分数計算にみる実際の指導過程
4 コース別問題の異動と指導方法
5 教材と指導方法の考察-分数同士のわり算
6 対象児への指導と評価
7 習熟度別指導という教育方法の考察
5 「心のノート」によって道徳教育は成功するか
1 「道徳教育」の失敗から「心の教育」そして「心のノート」まで
2 現代社会における道徳教育の困難
3 「心のノート」による道徳教育の方法
4 社会づくりの主体はだれか
第2部 確かな学力と教師の実践的指導力
1 現代学校における教師の実践的指導力
1 実践的指導力の形成と研修
2 実践的指導力とは
3 教育実践研究と実践分析
4 教育実践記録と分析
5 実践記録づくりの作業と実践的指導力の獲得
6 教育実践分析の指標
2 教師の実践的指導力を育てるには
1 はじめに
2 教師教育研究の動向と最近の日本での教師教育改革プラン
3 教師教育改革の基本的方向
4 福井大学での取り組み
3 「ことばの学び」生成のための授業研究
1 教科授業研究と「臨床的アプローチ」
2 「ことばの学び」生成の研究における「臨床的アプローチ」の特徴
3 「ことばの学び」育成のための「臨床的アプローチ」
4 授業をつくる教師の知をめぐって
1 はじめに
2 教室実践の構造と実践的知識
3 実践的知識へのアプローチ
4 経験知、科学知と技術知
5 授業研究としてのライフヒストリー的アプローチの可能性
6 授業実践研究としての「時間軸」の意義
第3部 教育方法学の研究動向
1 ドイツ教授学の研究動向
1 はじめに 問題の所在と考察の視点
2 教授学理論における「古典的」モデルの再編
3 学校づくりの展開と授業方法の見直し
4 ドイツ教授学の国際化と「知」の独自性
5 終わりに 展望と課題