いじめとは、他者の「幸福になる権利」を不当に奪う行為であり、決して許されるものではない。発生をくい止め、集団全体で対応と防止に取り組むことが必要である。それには人間としての尊厳を認め合い、ヒューマニスティックな思想と確かに効果を生む方法で、いじめない、いじめさせない子どもたちを育てていく。
目次
第1章 見過ごさないための「いじめ」理解1 いじめとは何か どうするのか
2 いじめの現状
3 いじめの内容
4 いじめの原因と対応の核
第2章 いじめへの対応
1 対応の基本方針を決める-ストラテジーの立て方
2 子どもへの対応
3 保護者への対応
4 解決志向ブリーフセラピーでの解決への一歩を踏み出す
5 「外在化」でいじめを手放す
6 ロールプレイによる対応
7 リアリティセラピーでいじめをこえる生き方の援助
8 CPI(危機予防研究所)による非暴力的危機介入法
第3章 連携によるいじめへの対応
1 情報連携から行動連携へ
2 チーム支援の考え方と技法
3 家庭との連携
4 外部機関との連携
第4章 いじめの予防
1 教師の行ういじめ防止教育
2 教師対象のいじめ防止研修で扱う中心テーマ
3 保護者対象のいじめ予防研修会
4 ノルウェーの「いじめ防止プログラム」
5 構成的グループエンカウンター
6 サイコエジュケーション
7 キレない子を育てるプログラム「セカンドステップ」
8 いじめに対応できる子を育てる
9 ピアヘルピング
10 特活で「われわれ意識」を育てる
第5章 いじめ早期発見のカンどころ
1 調査・観察から気づく
2 子どもの様子から気づく
3 保護者からの訴えで気づく-学校へ行きたがらない
4 周囲の子どもの様子から気づく
5 同僚教師からの情報で気づく
6 いじめの早期への対応
第6章 いじめ対応の実際
1 いじめの発見
2 子どもを支える学校ぐるみの取組み
3 保健室からのいじめ対策
4 失敗から学ぶいじめ指導
5 カウンセラーと担任による感情のもつれへの対応
6 いじめ対応に役立った技法
7 単純に割り切れないいじめ
8 校長のリーダーシップを生かしたいじめの克服