今日の学校教育では、個性尊重、自主性尊重の誤解や行き過ぎから、一方では、欲求不満耐性の弱い子どもが増え、他方では教師のリーダーシップの低下や校則の無力化が見られる。本書では、教室の秩序の乱れを改善し、落ち着いた教室を維持するためのさまざまな方策とともに、子どもの不適切な行動、逸脱行動の防止と矯正に対し、教師はどのように対処すべきかについて述べる。
目次
第1章 教室経営の基本1 教室経営のねらい
2 物理環境と教室経営
3 社会的環境と教室経営
4 教室環境の特性
5 教室における逸脱行動
6 教師の介入
7 集団(学級)の人数
第2章 教室経営と学習指導
1 学習指導の組織化
2 学習指導上の工夫
3 教師のリーダーシップの型
4 授業中の教師の行動・態度
第3章 逸脱行動の原因
1 基本的欲求
2 欲求不満
3 不適応行動 -逸脱行動
4 欲求不満耐性
第4章 教室のしつけのモデル
1 指導の立場
2 しつけのモデル
第5章 マネージメント理論に基づく方略
1 行動変容
2 断定的しつけ
3 ジョーンズ・モデル
第6章 リーダーシップ理論に基づく方略
1 賢明なしつけ
2論理的結果
3 現実療法・選択理論
第7章 非指示的介入理論に基づく方略
1 教師有効性訓練
2 交流分析
第8章 しつけの方法の選択
1 しつけの方法の評価
2 しつけの方法の決定
第9章 教師の教室経営能力
1 教師の指導力
2 教室経営のための提案
3規則と結果の確立
4 規範意識の育成
5 規範遵守の態度の育成
6 自己統制力の育成
第10章 逸脱行動への対処
1 日常的な逸脱行動への対処
2 むずかしい問題の発生と診断
3 積極的聞き取り-子どもの問題の解決
4 積極的解決-教師の問題の解決
5 行動変容
6 快苦原理の使用-賞罰
7 出席停止
8 外部との連携