現代社会に生きる子どもたちの現実とは
長引く不況と格差社会により生み出される家庭の貧困が,子どもたちの生活にどのような影響を与えているか,また子どもたちがそのような経済的影響を乗り越えて自立していくためにはどうしたらよいかを,学校の現状や子どもたちの家庭生活をふまえて語る。
また,現代の学校が抱える課題として,経済活動の中に取りこまれる学校の姿(アメリカ)や,諸外国の学校の現状(ドイツ),学童保育の研究(日本)などについて概観する。
目次
まえがき 中野和光序論 子どもの生活現実と教育方法学の課題 梅原利夫
Ⅰ 今日の子どもの生活現実と教育方法学
1 今日の子どもの生活現実と生活世界の再編・構築 中井孝章
2 「変容する家族」における子どもの生活現実と教育方法学 山田 綾
3 子どもの文化的不平等と現代教育方法学の課題 奥平康照
4 学校における子どもの生活現実と教育方法学 村瀬ゆい/湯浅恭正
Ⅱ 子どもの生活現実にとりくむ教育方法
1 現代における乳幼児の生活の危機に
大人はどう対処すべきか 岩田遵子
2 メディア・リテラシーと学校の商業化 上杉嘉見
3 「自己責任」論の克服と「働くルール」の学び合い 白石陽一
Ⅲ 教育方法学の研究動向
1 子どもの生活現実に取り組むドイツの教育動向 百々康治
2 子どもの生活現実に取り組む学童保育研究の課題 住野好久