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月刊誌 指導と評価

2016年 5月号
  1. 2016年 5月号  Vol.62-5  No.737  定価:450円
特集
  • 子どもの問題行動への対処
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  • 特集

    子供の問題行動の概況と今後の施策
    文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室  斉藤大輔

    ★文部科学省では、毎年、児童生徒の問題行動等について、全国の状況を調査・分析し、今後の施策を検討するとともに、各学校や教育委員会においても本調査を通じて実態把握を行うことにより、児童生徒の問題行動等の未然防止、早期発見・早期対応につなげていくため、「暴力行為」「いじめ」「自殺」などの児童生徒の問題行動と、その他「出席停止」「不登校」「高等学校中途退学」「教育相談」からなる「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施しています。今回、「暴力行為」「いじめ」「自殺」における平成26年度の調査結果と、これらの問題行動に対する国の施策について解説します。

    問題行動の心理的要因
    さいたま市スクールカウンセリングスーパーバイザー  水國照充

    ★子どもの問題行動は、社会・地域、学校、家庭、子ども自身の要因等、複数の要因が関連して生じる。
    ★問題行動を呈する子どもたちの心理的要因は、社会性・規範意識の弱さ、対人関係、共感能力の不足、歪んだ自己愛の肥大化、情動制御の脆弱性、自己評価の低さ等があげられる。
    ★これら心理的要因を理解したうえで、子どもの問題行動に対応する大切なことは、詳細なアセスメント、自己有用感を高めるはたらきかけ、学校内外のリソースを活用することであるといえる。

    問題行動と家族支援
    福島大学教授  生島  浩

    ★問題行動として少年非行を取り上げるが,その現況について,全体の数量は減少しているなかで,校内暴力と家庭内暴力が増加している事態が憂慮される。
    ★少年非行を理解しやすいように,「マイナスの集積を背負った」「時代の鏡としての」「突出した特異な」という三つに類型化して,それぞれのタイプ別に家族への働きかけによる立ち直り支援の在り方を示した。
    ★本人はもとより保護者に対して行う非行臨床の基本は,教師にとっても有用な常識をわきまえた心理教育的助言であり,「問題に至る経過と立ち直りの道筋は異なる」など五項目のエッセンスを説き明かした。

    生きづらさを抱える子の保護者にどう対応するか
    大阪大学大学院教授  小野田正利

    ★「保護者対応の力」や「コミュニケーション力」の向上を願う校長が急増。
    ★学校だけで解決可能なトラブルかどうかの見極めが必要で、場合によっては外の機関との連携も大事だ。
    ★この2年間の間に、子どもどうしのトラブルが絡む保護者対応問題が増えている。
    ★時に「自作自演によるいじめ問題」が起きることがあるが、背景には“もっと自分を愛して欲しい”と願う、子どもの切ない思いが透けて見える。

    学級崩壊、校内暴力(器物破損、対教師暴力)
    東京都杉並区立天沼中学校長  藤川 章

    ★学級崩壊は小学校で主に現れる事象である。学級担任一人で対応するのではなく、小学校では専科の教員、中学校では学年単位でチームワークで取り組むことが基本になる。
    ★校内暴力は、基本的に犯罪行為である。インフォームドコンセントの観点から、何がどういう犯罪にあたるかを、生徒指導の約束事項として、保護者や子どもたちに周知し、納得させておくことが大きな抑止力になる。

    問題行動と友人関係
    千葉市養護教育センター所長  植草 伸之

    ★いじめの実態調査からわかること:○いじめの発見は、アンケート調査と本人からの申し出が約6〜7割。○いじめの相談相手は、学級担任が約7割、保護者に相談は3割弱。○いじめの対策は教職員の共通理解、情報の共有、校内組織の整備、相談体制の充実、そして、道徳、学級活動の授業での指導である。
    ★友人と呼べるのは対等な関係にある仲間。対等な関係ではいじめは起こらない。

    発達障害と問題行動 〜どのように理解し、支援するか〜
    京都工芸繊維大学教授   藤川洋子

    ★発達障害と子どもの問題行動について、その支援のあり方を中心に述べる。2016年4月、障害者差別解消法が施行され、小中学校から大学、社会まで、発達障害を含む障害をもつ人に対して「差別の禁止」とともに、「合理的配慮」が求められるようになった。本稿では、問題行動につながることのあるAD/HDと自閉症スペクトラムを中心に説明し、自閉症先進国である英国の支援原則SPELLを紹介する。また、非行や問題行動からの更生には、「安心できる居場所の確保」と「適切な社会的行動をわかりやすく教えること」が不可欠であり、周囲が連携して一枚岩になり、一貫した対応を心がけることが重要であることを具体的に示す。

    連載

    QUを活用した学級づくりと個別支援(2)学年、学校ぐるみの対応の必要性 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    特別支援教育のこれから(2)通常学級で気になる子を支援するための具体方策 名城大学教授
    曽山和彦
    これからの教育評価(2)コンピテンシー・ベースのカリキュラム 京都教育大学准教授
    樋口とみ子
    感度を高める言葉の教育(26)接頭辞による限定 国立国語研究所教授
    石黒  圭
    先人に学ぶ「数学的な考え方」(1)中川三郎著『実践 算数科教育法』より 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    これからの英語教育をどうするか(1)小学校3〜6年 埼玉県戸田市教育委員会指導主事
    藤田政貴
    英文法の基本と応用−世界標準の英語へ(3)動名詞 宇都宮大学准教授
    谷 光生
    シティズンシップ教育(2)イングランド 筑波大学助教
    菊地かおり
    新しい教育評価の動向(48)M・ロバーツMargaret Roberts「強力な知識と地理教育(Powerful knowledge and geographical education)」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    追悼 辰野千壽先生を偲んで(石田恒好・文教大学学園長、応用教育研究所所長) 聖徳大学教授
    福沢 周亮
    筑波大学教授
    桜井 茂男
    法政大学教授
    服部 環
    東京家政大学教授
    平山 祐一郎
    広尾学園中学校・高等学校副校長 元筑波大学附属中学校副校長
    角田陸男