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月刊誌 指導と評価

2015年 6月号
  1. 2015年 6月号  Vol.61-6 No.726  定価:450円
特集
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    21世紀型能力とICT
    奈良教育大学教授  小柳和喜雄

    ★21世紀型能力とICT活用の関係を考える場合、3つのアプローチがあると考えられる。
    ★1つ目は、学力保障や学力向上と関わって教育方法を問うアプローチ。今まで大切にし、積み上げてきた方法を活かし改善していく取組に、ICTを適宜活用していく。
    ★2つ目は、子どもたちの学びの内容自体を問うアプローチ。子どもたち自身が学習に入り込んでいくような課題設定(深い学び)とそこで求められる学習力をつけていく取組と関わって、ICTを適宜活用していく。
    ★3つ目は、子どもたちの将来を見越した力の育成と関わる評価方法を問うアプローチ。その力を子どもたちに培っていくことと関わって評価の道具として適宜活用していく。

    先進諸国でのICT教育の実情−21世紀型スキルの育成に取り組むシンガポールやオーストラリア
    富山大学教授  山西潤一

    ★2020年を目標に、次代をリードする能力を児童生徒につけるべく、21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指したさまざまな取組が展開されている。とくに、安価で携帯が容易なタブレットPCの普及で、従来のコンピュータ教室はもとより、普通教室での活用が急速に進んできている。一人一台タブレットPCとまではいかなくても、個別学習やグループでの協働学習への活用など、ICTの特性を活かした日常的学習が日本でもようやく現実のものとなってきている。ここでは、ICTの日常的活用に先駆的に取り組んでいるシンガポールやオーストラリアの事例を参考に、今後の課題や可能性を考える。

    教師用デジタル教科書の効果的な活用
    新潟大学附属小学校教諭  片山敏郎

    ★指導者用デジタル教科書の普及が進んでいる。仕様の統一や複数のOSで使えるようになるなど、普及のための条件がそろってきた。
    ★指導者用デジタル教科書の最も大きな利点は、教科書を大きく映しながら授業ができることと、動きや音声で学習を補足できることである。
    ★デジタル教科書があっても、黒板は必要である。提示型の手立てが増えたととらえるべきである。
    ★実物投影機や学習者用情報端末と組み合わせることで、一層効果を発揮する。指導者用デジタル教科書は、ICT整備において、必要条件であり、十分条件ではない。

    電子黒板の効果的な活用
    鹿児島市立山下小学校教諭  中原雅弘

    ★ICTを日常的に活用するための「物的環境」とICTを効果的に活用することができるようになるための「人的環境」を整備することで、教師・児童ともにICTのよさを実感し、日々の授業改善につなげることができた。
    電子黒板と実物投影装置やデジタルペン、タブレットPCを併用することで、活用の幅が広がり、電子黒板のよさを生かした効果的な活用が図られた。
    ICTを使いさえすれば「よりわかりやすい、楽しい授業」になるわけではない。これまでの授業スタイルを大切にし、「デジタルとアナログの融合」を意識した授業づくりを行っていきたい。

    タブレット一人一台の効果的な活用
    東京都多摩市立愛和小学校長  松田 孝

    ★本校では「タブレットPCの日常化による新しい教育Styleの創造」を校内の研究テーマに掲げ、授業、教員、地域のRe-Designを目指している。
    ★本校では全児童および全教員にタブレットPCを配布し1年半以上、One to Oneの環境で授業を進めてきた。校内どこからでもWi-Fiに接続できるインフラが整っている。普通教室には電子黒板か大型モニターが設置され、Wi-Fi環境を生かしてAirPlayによるミラーリングが授業で大活躍している。
    ★すべての授業で積極的にタブレットPCを活用し、7つの効果を感じている。
    ★今年度新たに取り組んでみたいことが3つある。1つはSkype英会話、1つはポートフォリオの蓄積、1つはマルチデバイスへの取組みである。

    1人一台のタブレットPCの活用
    東京都目黒区立第一中学校長  伊藤恵造

    ★21世紀型の能力の育成のために授業改善のポイントを明確にしながら、タブレット端末や電子黒板の活用方法について研究を行った。その際、タブレット端末や電子黒板は授業を効率化等させるための一つの教具であり、活用することが目的とならないよう、研修を重ねてきた。また思考のプロセスや生徒の主体的な学習について校内研究を重ねてきた。平成27年度も研究を継続する。

    特別支援教育におけるICT活用−集団の中の個別支援を目指して−
    聖徳大学准教授  東原文子

    ★「特別支援教育におけるICT活用」では、個々の対象児のニーズや認知特性を重視する「オーダーメード」の観点と、通常の学級でクラスメートと共に利用できる(クラスメートも助かる)ことを重視する「UDL(学習のユニバーサルデザイン)」の観点の両方が重要である。それらは両立しにくく見えるが、教材教具やその使用法にオプションを多く装備することで両立が可能である。事例をあげて説明していく。

    連載

    チーム援助で特別支援教育のさらなる充実を(3)チーム援助を進めるための管理職の役割−援助ニーズの大きな子どもに焦点をあてて 高知市立西部中学校教頭
    吉本恭子
    道徳をこれからどう指導したらよいか(3)道徳の時間における問題解決的な学習 千葉市立犢橋小学校教諭
    森  美香
    「学校づくり力」アップセミナー(3)授業力が高まる学校づくり 岐阜聖徳学園大学教授
    玉置 崇
    QUで学級集団づくりと学力向上を図る(3)東京都狛江市の取組⊆菫箸罰亮造弊果 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    目的別文章の書き方(3)基本用語の説明−パラグラフ・ライティング 文部科学省初等中等教育局教科書調査官(体育)
    渡辺哲司
    感度を高める言葉の教育(15)聞き間違いはなぜ起きるか 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    学校の法律問題(27)セクハラへの対応義務 日本女子大学教授
    坂田 仰
    新教育課程における教育評価(3)ダンス的認識活動の応用 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    わたしたちの学校づくり(13)日本と世界をつなぐ架け橋に!保護者と共に取り組んで 前ダブリン日本子女補習校長
    三ツ橋定夫
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(34)6年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    新しい教育評価の動向/M・ヤング「カリキュラムはどうあるべきか」−「学習内容中心のカリキュラム論」対「新しいカリキュラム論」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    教育測定・統計入門(38)主成分分析−情報集約の方法 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/歴史とロマンと羊のいる風景 翻訳家
    海野久美