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月刊誌 指導と評価

2015年 4月号
  1. 2015年 4月号  Vol.61-4.No.724  定価:450円
特集
  • 幼小中高をどうつなげるか
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    小中一貫教育の成果と課題
    京都産業大学教授  西川信廣

    ★小中一貫教育という言葉は今日では全国的な広がりを見せているが、その実態は多様である。それは小中一貫教育の目標が十分に理解されていないことによる。また小中段差とか、中1ギャップという言葉が流布しているが、実は小・中学校間に存在するのは中1リセットであり、小・中学校の不連続こそが問題なのである。
    ★平成26年に実施された文科省の全国調査では、小中一貫教育に取り組んでいる学校では多くの成果が実感されていることがわかった。同時に課題も明らかにされた。調査結果をもとにこれからの小中一貫教育の方向性を模索したい。

    幼小中の接続の実際−広島大学附属三原学校園 
    広島大学附属三原中学校副校長  桑田一也

    ★本学校園は、幼稚園、小学校、中学校が同一敷地内に併設されていて、断続的、継続的に一貫教育を推進してきている。中教審答申で提言されたように、一貫教育の必然性については、その方策が模索されている。よって、本学校園のこれまでの一貫教育の背景とこれからの接続期における学びの連続性を検討することで、12年間における学びの系統性を解明していく。本学校園の子どもの実態を探り、各校種の保育、授業の在り方を工夫し、最終的には、接続期における有効的な学びの方策を解き明かす。

    小中の連携の実際−5・4制
    京都市立京都御池中学校教頭  矢野保美

    ★小中一貫教育は,義務教育の9年間を一つの枠でとらえ、子どもたちの発達段階に沿った独自の教育課程の編成を行うこと。計画的、系統的な教育を展開していくことで、子どもたちの個性・能力を引き出していくことにつながり、また、これからの生きる力を育んでいくと考えている。そのためにまず、9年間をつなぐカリキュラムを編成すること。子どもたちにつけたい力を明確にして、より確かな学力を育む5・4制のカリキュラムの編成を目指し小中の教職員が協働している。また、中1ギャップの克服のために本校が取り組んでいることを紹介する。

    小中の連携の実際−横浜型小中一貫教育
    横浜市教育委員会事務局指導部指導主事室首席指導主事  宮城 篤

    ★横浜市では、「横浜型小中一貫教育」として、小中学校の教職員が情報交換や連携を行い、義務教育9年間の連続性を図った小中一貫カリキュラムに基づく教育活動を推進している。二〇〇六年からの取組の概要と、小中学校のなめらかな接続のための、小中一貫教育推進ブロックの取組、教育委員会の支援について紹介する。
    ★さまざまな取組によって、教職員の意識に変化が表れてきた。算数・数学の実践例をもとに、小中学校の合同授業研究会の様子や、教員の乗り入れ授業について紹介する。

    小中一貫校の実態
    東京都品川区立小中一貫校荏原平塚学園校長  青木 経  

    ★品川区では施設一体型一貫校が平成18年度に創設され、昨年度初めて卒業生が誕生した。平成10年に教育改革の第1ステージが始まり、平成25年に第5ステージに突入した。これまで私が校長として係わった品川区内の1つの中学校と2つの施設一体型一貫校を中心に一貫教育の実態と成果を中心に述べる。日本の教育制度が大きな転換期を迎える中で、小中一貫教育を全区展開してきた品川区の施策は、常に先駆的な取組ではあった。今後の日本の教育改革を追い風として、これまでの実践を検証し、一歩前を行く一貫校づくりを目指したい。

    教科の観点から見た小中高接続のあり方−英語
    筑波大学附属中学校主幹教諭  肥沼則明

    ★小学校高学年における英語の教科化により、英語科指導の小中接続はますます重要になる。また、以前からの課題である中高接続 の問題点への対応にも再考が必要となる。
    ★教科における小中高接続においては、学校制度やカリキュラム上の接続を考えることに加えて、「育てたい児童・生徒像」を目指す指導理念を共有することが重要である。
    ★筑波大学附属大塚地区三校(小・中・高)では、育てたい児童・生徒像や資質・能力を四つの指導理念の目標としてまとめ、一貫教育の可能性を探っている。

    教科の観点から小中高の接続のあり方−理科
    前千葉県野田市立みずき小学校長  大関 健道

    ★教科の小中高の接続をスムーズにしていくためには、人事異動を含めた教員どうしの交流・連携・協同を進めるための「共同研修」などの仕組み・取組が必要である。
    ★中学校と高等学校との理科の接続をスムーズにしていくうえで、野田市において取り組んでいる高等学校の理科担当教員を講師として招聘し、中学校の理科担当教員とティーム・ティーチングで実施している「わくわく理科授業(特別授業)」および環境学習「江川地区フィールドワーク(課題研究)」は有効な取組である。

    連載

    「学校づくり力」アップセミナー(1)教師力が高まる学校づくり 愛知県小牧市立小牧中学校長
    玉置 崇
    QUで学級集団づくりと学力向上を図る(1)学力向上の前提となる学級経営 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    チーム援助で特別支援教育のさらなる充実を(1)チーム援助で特別支援教育のさらなる充実を−学校心理学を背景に 東京成徳大学大学院教授
    田村節子
    目的別文章の書き方(1)主な目的別文章の基本類型とその書き方−描写・説明・意見・説得− 名古屋大学教授
    渡邉雅子
    感度を高める言葉の教育(13)内包と外延 国立国語研究所教授
    石黒  圭
    新教育課程における教育評価(1)新教育課程で課題となること 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    道徳をこれからどう指導したらよいか(1)子どもの問いをいかす道徳の授業 千葉大学附属小学校教諭
    村田正実
    わたしたちの学校づくり(11)私たちのこころみ 福島県いわき市立勿来第二中学校長
    澤井史郎
    新しい教育評価の動向/V・クレノフスキー、C・ワヤット・スミス「ハイ・ステイクスなテストがもたらす影響:オーストラリアの事例」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(32)6年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    教育測定・統計入門(36)因子分析−多因子モデルの基礎 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/社会に出て必要なもの、学歴より学力、学力より実力 新生証券常勤監査役
    海野典夫