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月刊誌 指導と評価

2015年 2月号
  1. 2015年 2月号  Vol.61 No.722  定価:450円
特集
  • 「問う力」を育てる
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    子どもの「問う力」を育てる
    上智大学教授  奈須 正裕

    ★「問う力」について考えるには、それぞれの学力論が暗黙裏に「答え」をどのようなものと見なしてきたかを検討する必要がある。
    ★従来の学校は「正解」の量的蓄積と定型的運用を求める産業社会の要請に応えてきた。知識基盤社会では「応え」や「最適解」を生み出すべく、知識を創造し活用する資質・能力と共に、質の高い「問い」を発する力が求められる。
    ★「問い」を発するという子どもが生来持っている力を、文化遺産の学びを通してさらに洗練させることが、教科教育の新たな任務である。

    教師にとっての「問う力」
    早稲田大学教授  小林宏己

    ★近年の学校現場では教師用指導書さえ読まれることが少なくなったという。授業の多くは聞き方・話し方はもとより書き方・解き方までが定型化され、学習規律の徹底と一斉一律の効率的な指導を進めることが優先される。既成の教材と指導計画(板書計画まで)に合わせるだけの授業でよいか。「汎用的能力」が問われる今日、授業再生を願って「学び続ける教師」には、教材開発力はもとより、子ども(児童・生徒)の思考・表現を活かし、深化させていくうえで有効な構築的な教材観への転換と探究ベースの単元構想を立案する力が求められている。

    「問う力」の基礎としての言語論理の指導−中学校国語
    お茶の水女子大学附属中学校教諭  宗我部 義則

    ★日常の教科学習を通した「小さな問い」探しが、「課題発見・設定」の力につながっていく。
    ★国語科の指導内容としての「質問」。わたしたち国語教師は、単に「質問せよ」と投げかけるだけではなく、もっと意識的に「質問する力」を育てていくことが大切ではないか。
    ★文章を読んで疑問をもつためにはもちろん、誰かの話を聞いて「質問」ができるためには、「話に立ち止まる基礎力」としての「言語論理の力」が必要になると考える。

    子どもの「問う力」を育てる小学校算数の授業
    青山学院大学教授  坪田 耕三

    ★「問い」は、授業の中では、子どもの中にある欲求に触れる形で呼び起こすものである。子どもにはもともと持っている欲求がある。「考えたい(思考)」「知りたい(知識)」「やってみたい(体験)」というものである。この気持ちを呼び起こす仕掛けをつくるのは教師であり、子どもの疑問・感動・納得を大切にした授業展開を工夫しなければならない。本稿では、活動を伴った具体的な授業例を紹介しながら、この主張を展開しようと考える。

    「問う力」を育てる−中学校社会−活動型の授業を取り入れる
    東京都目黒区立東山中学校主任教諭  三枝利多

    ★「公民」を育てる大事な教科。とくに暗記偏重になりがちなのが現状だが、できれば現実的な問題やそれを模した問題で、どう問うか。そして、どうやって解決に向けていくか。実践例を交えて述べる。

    「問う力」を育てる−小学校理科
    筑波大学附属小学校教諭  佐々木昭弘

    ★これまでの理科授業の多くは、「温めると、空気・水・金属の体積は増える」といった、 現象とその要因とを「ことば」結びつける指導にとどまっている。しかし、問題意識が高まった子どもは、現象の意味を理解しようとする。(意味理解志向)
    ★「実感」を伴った理解を子どもに保障するためには、現象や実験方法に対する子どもの意味 理解志向を促し、応えることのできる問題解決的な学習が必要であり、「問う」力を鍛えていくことにつながっていく。

    「問う力」を育てる−道徳−子どもが自ら「問い」をもち、考え始めるきっかけをつくる教師の発問力
    筑波大学附属小学校教諭  加藤宣行

    ★授業である以上、教師のねらいのもとに学習が進められ、子どもたちの学びを保証する必要がある。
    ★だからといって、もっともらしい内容項目をねらいとして大上段に振りかざし、子どもの道徳性を高めようとしてもあまり効果は期待できない。なぜなら、道徳の学習は、ある意味「わかりきった、当然のこと」を相手にするものだからである。最初から知っている、わかっていることを見直し、確認し、それができていない自分自身を振り返って反省する。これでは子どもたちが乗ってこないのは当たり前である。そのような授業が教科化され、強化されたのではたまったものではない。
    ★子どもたちが「あれ、どういうことだろう」「もっときちんと考えたい」と思うような問いかけを、教師がすることができた時、授業は動き出す。それが教師の発問力である。

    連載

    特別寄稿/学力が伸びるクラスはこれだ!! 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    教師力アップセミナー(10)わかる授業とは何か 千葉市立こてはし台中学校長
    堀米 宏
    学級づくり実践セミナー(11)良好な学級が多い学校は教員組織力が高い 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    学校の法律問題(23)部活動指導とセクハラ疑惑 日本女子大学教授
    坂田 仰
    21世紀をよりよく生きる資質・能力の育成(11)21世紀をよりよく生きていくのに必要な資質・能力を育てる方法−教科学習の問い直し(言語教育) 国際交流基金日本語国際センター所長
    西原 鈴子
    感度を高める言葉の教育(11)丁寧形と普通形は交ぜられる 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    応用行動分析学入門(10)自己管理スキルを教える 教育臨床研究機構理事長
    中野 良顯
    教育・心理検査を上手に活用しよう(11)バッテリー活用(総合) 応用教育研究所主任
    江澤賢一
    新しい教育評価の動向/B・リンガード、G・マクレガー「グローバル化とカリキュラム改革」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    どうする?小学校音楽の授業(12)日本の音楽をどう扱えばよいのか 新潟大学教授
    伊野義博
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(30)5年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    小学校理科の授業づくり(34)6年B(4)「土地のつくりと変化」教科書を活用し教科書を超える授業に 筑波大学附属小学校副校長
    森田 和良
    教育測定・統計入門(34)非計量多次元尺度法 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/演劇と教育を結び続けて 日本演劇教育連盟常任委員
    神尾タマ子