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月刊誌 指導と評価

2014年 8月号
  1. 2014年 8月号  Vol.60-8 No.716  定価:450円
特集
  • 言語活動をどう指導するか
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  • 特集

    言語活動の目的と指導
    聖徳大学教授  福沢 周亮

    ★言語活動により論理的思考力を育成する指導について考察した。‘匹爐海箸了愼海農睫席犬鮹羶瓦砲靴董∀斥的思考を可能にすると考えられる留意点として、構造の把握、機能語の把握、語彙の把握を取り上げた。⊇颪ことの指導で、説明文を書くことの指導を、上記の留意点の確認とともに進めることを、また客観性のある語の指導を取り上げた。O辰垢海函κ垢ことの指導においても、論理的思考が成立する留意点を検討するとともに、コミュニケーションが成立する条件への配慮を取り上げた。

    言語に関する能力はどう発達するか
    法政大学教授  福田 由紀

    ★言葉とは特定の集団の中で共有された記号である。本稿では主に書き言葉に関連する読み書き能力がどのように発達するかを紹介する。子どもは、絵と文字が異なる記号であることを区別しているが、文字と音との結びつきがまだ弱い、萌芽的読み書きの時期を経て、文字と音の強い対応関係を学習する。小学校入学当時は読み書き能力の個人差は大きいが、高学年くらいになるとその差異はなくなってくる。幼児期の読み書き能力の相違よりも、ワーキングメモリ容量や語彙量(既有知識量)が小学校以降の読み書き能力に影響を与えている。

    言語活動で育てたいもの−実社会の立場から
    京都造形芸術大学教授  門崎敬一

    ★感想を述べることよりも、文章や話の内容を理解し要約することが優先されるべきではないか。
    ★文章を社会で通用させるためには書き方のルール=表記基準に準拠したほうがよい。
    ★まず傾聴すること。エピソードをもとに話すこと、話し合うこと。ひとつの話題をめぐって議論すること。話し言葉によるコミュニケーションは段階的に進める。
    ★インタビューは言語活動の諸要素を包含した行為である。
    ★企画書と依頼状のテンプレート(様式・定型)を示してやろう。
    ★読者を意識することによって、文章の明晰さは高まっていく。

    言語活動で育てたいもの−日本語教育の立場から
    早稲田大学大学院日本語教育研究科教授  池上摩季子

    ★国内で日本語を学ぶ子どもたちは多様化している。現在、問題とされていることのひとつに子どもたちが日本語での日常会話はできても、学校での学習活動への参加に支障が生じていることがある。学習言語能力を伸長させ、学習活動に日本語で参加できるようになるためには、どのような日本語教育が必要であろうか。ことばと教科を統合したJSLカリキュラムの試みと、「特別の教育課程」の導入という側面から考えていく。

    言語活動で育てたいもの―英語教育の立場から  〜アイデンティティの育みの必要性〜
    国立教育政策研究所名誉所員  渡邉 寛治

    ★小・中・高の外国語教育の目標である「国際的に通用するコミュニケーション力(資質・能力)」を養うには、言語スキルを磨くだけでは達成されない。国際的なコミュニケーションでは、論理的な思考力・判断力・表現力及び個人及び国民としてのアイデンティティ(独自性、個性、主体性)が求められるからである。したがって、そのことを気付かせてくれるALTとの国際的な異文化コミュニケーション活動(言語活動)を通して、児童・生徒の「生きる力」に直結するアイデンティティを育むことが大切である。

    国語科で培うべき言語に関する能力「話す能力」
    聖徳大学教授  有働 玲子

    ★話すことの原初的体験は乳幼児期にあり、何よりも、大人が子どもに言葉がけをすることからはじまっているのである。また、指導者は一人ひとりの子どもの思いを自分の言葉で表現できるように導いているのである。
    ★いかに単元としての言語活動を計画的に行っても、これが子どもたちにとって具体的な実感を伴った場でなければならない。今日、子どもたちの言語生活を観察し、質の高い話す能力の育成には、「軌道修正力」や「学級外他者を意識する力」等の視点が必要である。

    認識力を高める「報告文練習」
    跡見学園女子大学教授  藤澤 伸介

    ★各人の個性が尊重されるようになり、価値観が相対化
    し、社会が多様化して複雑になり、従来にもまして「生
    きる力」が必要な世の中になってきた。それにあわせて
    教育課程で「言語力」を指導することになったが、そこ
    で要求されているのは単なる伝達の道具にとどまらない、
    個人に、社会に適応するための言語力であり、教師にと
    っては自分でも不十分な力を教育する事態になっている。
    ここでは、言語力構築の基礎となる報告文練習を題材に、
    児童生徒の教育より先に、まずは大人から言語力不足を
    認識する必要があることを指摘した。

    連載

    21世紀をよりよく生きる資質・能力の育成(5)21世紀によりよく生きていくのに必要な資質・能力を育てる方法−教科教育の問い直し(一般論と理科) 宮崎大学教授
    中山 迅
    学級づくり実践セミナー(5)授業こそ学級づくりの中心である 早稲田大学教授
    河村 茂雄
    教師力アップセミナー(4)研究主任は何をすればよいか 千葉市立こてはし台中学校長
    堀米 宏
    教育・心理検査を上手に活用しよう(5)標準学力検査NRTの理解と活用 (財)応用教育研究所次長
    堀口 哲男
    感度を高める言葉の教育(5)辞書の弊害と可能性 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(24)5年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    応用行動分析学入門(5)カリキュラムと授業を設計する直接教授モデル 教育臨床研究機構理事長
    中野 良顯
    新しい教育評価の動向/Standish,A「グローバル教育とは何か、それは我々をどう変えるか」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    小学校理科の授業づくり(28)3年B(3)太陽と地面の様子 筑波大学附属小学校教諭
    鷲見 辰美
    どうする?小学校音楽の授業(9)「体を動かす活動」をどう活かす(続) 筑波大学附属小学校教諭
    高倉 弘光
    教育測定・統計入門(29)判別規則を作る−2次判別分析 法政大学教授
    服部 環
    学校の法律問題(17)有給休暇の申請 学校運営と時季変更権 日本女子大学教授
    坂田 仰
    教育の窓/終戦前後に実施された「特別科学教育」での学習指導と評価(続) 教育評価評論家
    赤木愛和
    だんわしつ/子どものための教育 東京学芸大学教授
    平野 朝久