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月刊誌 指導と評価

2014年 2月号
  1. 2014年 2月号  Vol.60-2 No.710  定価:450円
特集
  • 言語活動の充実とは
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  • 特集

    言語活動の充実とは何か
    文部科学省研究振興局学術研究助成課長・元初等中等教育局教育課程企画室長  合田哲雄

    ★「言語活動の充実」は、観察・実験レポートや論述、討論といった個々の活動の重視にとどまらず、知識の体系である学習指導要領を能力の体系へと進化させることを志向して提起された。思考力等を育成するための言語活動の体系化とそれを踏まえた各教科等の内容の構造的な改善を図った現行学習指導要領のもと、各学校においては創意工夫に溢れた教育実践が展開されているが、大学教育の質的転換や高校における達成度テスト(仮称)の導入などが議論されている中、言語活動は学校段階間を結ぶ縦軸、教科等を相互に関連付ける横軸としてますます重要になっている。

    イギリスの「きく」学校に学ぶ
    信州大学教授  藤森祐治

    ★言語活動の充実は、なによりも、校長を初めとした教員チームが子どもたちの前で充実した言語活動を率先してやってみせることによって実現する。
    ★いかに系統性や「単元を貫く言語活動」に頭をひねり、これを子どもたちにやらせようとしても、当の教員チームに質の高い言語活動が実践されていなければ、子どもたちは動かない。
    ★質の高い言語活動の要諦は、質の高い「きく(聴く・訊く)」ことを、すべてのスタッフが根気よく実践することに尽きる。

    小学校国語における言語活動の充実の実践
    筑波大学附属小学校教諭  青山由紀

    ★国語科における「言語活動の充実」は、「言葉の力」をつけるためと、「思考力」を高めるために機能すべきものである。
    ★単元の中で果たす役割という点では、「手立としての言語活動」や「活動させること自体が目的となる言語活動」など、様々なタイプが認められる。どのようなタイプの言語活動かを見極めて単元を構想することが大切。
    ★ねらいに適した言語活動を設定するためには、「つけたい言葉の力」を六学年俯瞰してとらえることが必要。
    ★単元終末の活動を、いつ、どのように提示するかについて、学習者の意識に寄り添って十分吟味して単元を構想すべきである。
    ★「言語活動目的型」単元だけでは活動主義に陥る。発達段階と教材の特質によって、「課題追求型」単元や「言語能力獲得型」単元なども視野に入れて単元を構想することが求められる。

    言語活動を支えるトレーニング
    千葉市立幸町第二中学校長  飯田 良

    ★国語科として育てるべき学力は言語活用能力である。その能力は学習指導要領に明記されている。学校では教科書を活用しながら、言語活動を通して指導事項を指導していくことになる。生徒の実態を踏まえて言語活動を工夫する必要があるが、すべての指導事項を漏れ落ちなく取り扱う必要があり、年間指導計画の作成が不可欠になる。「活動あって学習なし」とならないためには、単元と教材、指導事項等を明記したマトリックスが欠かせない。
    ★言語能力は活用することによって習得されていく。学習したことは単発の学習だけでは定着しない。ねらいを明確にした単元を設定していくとともに、学力の素地となる基盤を鍛えておく必要がある。言語活動の基礎となるトレーニングを帯学習として実施することを提案したい。
     

    中学校英語
    東京都港区立赤坂中学校主任教諭  北原延晃

    ★言語活動の時間を確保するために、学習活動について留意すべきことをまとめた。自律的学習者を育てることが言語活動を活発にすることにつながるし、その逆も言える。
    ★言語活動の種類と授業におけるその具体例をあげた。
    ★評価につながる4技能(聞く、話す、読む、書く)の言語活動の具体例をあげた。英検準2級以上取得率が公立中学校日本一と言われている本校の指導事例をご覧いただきたい。
    ★統合的な言語活動について述べた。

    意味理解を促すための「言語活動」
    筑波大学附属小学校副校長  森田 和良

    ★理科で扱う内容は、自然の事象である。それらを言語活動を通して言語化して理解していく。言語活動を行う目的は、「意味理解」を促すことである。事象の意味を学習者自身が考えて納得して納めることが、わかることにつながる。
    ★言語活動を通して、自分の理解を出力することが大切である。出力することによって、自分の理解や表現のあり方を再検討することにつながり、自分自身の理解の“振り返り活動”となる。この活動を経ることで、本当に内容を理解するという意味の「実感を伴った理解」に近づくと考えている。

    中学校美術科
    聖徳大学教授  奥村高明

    ★本稿では、美術科で育てる学力や評価、学習内容などと「言語活動の充実」の関係について整理する。学力と評価の観点からは、「A表現」と「B鑑賞」の両面から「思考力・判断力・表現力等」を活性化する実践が求められている。その際、美術科の「広い意味での言語」である〔共通事項〕を活用することが必要である。学習内容の視点からは、美術文化の働きをとらえる鑑賞活動の重要性について考える。

    連載

    特別支援教育のさらなる充実を求めて(10)特別な支援が必要な子への幼保小の連携 三重県立小児心療センターあすなろ学園 こどもの発達総合支援室市町支援課
    北森敬子
    学級づくりと特別活動(10)学級会の話合い(充実期) 埼玉県東松山市立松山第二小学校長
    稲垣孝章
    わたしたちの学校づくり(9)TTによる音楽の授業を柱とする学校経営への挑戦 神奈川県川崎市立夢見ヶ崎小学校長
    保万里
    評価を指導に生かす(4)読みの質的な深まりに着目したルーブリックを指導に生かす‐学校低学年 鳴門教育大学附属小学校教頭
    宮本 浩子
    小中学校国語の授業づくり(11)小学校「書くこと」一年生 この見取りと教師の判断〜そうすれば指導の効果が上がるのか〜 北海道札幌市立緑丘小学校教諭
    岡田一伸
    小中学校外国語教育のあり方(11)横浜市における小中一貫英語教育 横浜市教育委員会事務局指導部指導企画課主任指導主事
    鈴木 薫
    どうする?小学校音楽の授業(6)鑑賞編〜「聴くこと」は音楽の基盤〜 筑波大学附属小学校教諭
    中島 寿
    教材で子どもが輝く小学校社会科の授業(11)北海道の最果ての地にある監獄から何が見えるか?道東の開発の歴史が見える 東北福祉大学特任教授
    有田 和正
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(18)4年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    小学校理科の授業づくり(23)4年A(2)「金属、水、空気と温度」 文部科学省教科調査官
    村山哲哉
    学校の法律問題(11)いじめ防止等対策組織の設置 日本女子大学教授
    坂田 仰
    教育測定・統計入門(23)多数の変数の関係を一度に分析する−多変量解析 法政大学教授
    服部 環
    だんわしつ/学校の「キャリア教育」頼みでいいのか−若者の労働を阻む社会の壁の撤廃を ジャーナリスト・和光大学教授
    竹信三恵子
    ひとりごと/チュウリップの球根 元公立中学校教諭
    吉冨 久人