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月刊誌 指導と評価

2014年 12月号
  1. 2014年 12月号  Vol.60-12 No.720  定価:450円
特集
  • これからの英語教育
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  • 特集

    英語教育のこれから
    上智大学教授  吉田研作

    ★日本の英語教育改革は、英語が使える日本人を育成するための行動計画をきっかけに、10年以上にわたりさまざまな取組が行われてきた。その間に、政府はグローバル人材の育成の必要性を大きなテーマに、英語教育の改革を対案してきた。それを受け、文部科学省では、2013年12月に「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表し、その具体的な内容を検討するための英語教育の在り方に関する有識者会議を招集した。その中で、小学校英語の教科化、中高英語の高度化、より具体的な英語教育の指標としてのCan-doの導入、そして、大学入試における4技能英語能力試験結果の利用を提案した。本稿ではこの一連の経緯について論じている。

    小学校の英語教育はどうすればよいのか
    文部科学省教科調査官  直山木綿子

    ★昨年末に文部科学省より発表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を受けて、今年2月に発足した「英語教育に関する有識者会議」が英語教育に関する五つの提言としてその審議のまとめを報告している。この提言は、これまでの外国語活動の成果と課題を踏まえたものであり、小学校に小学校文化に根差した新しい外国語教育を創りだそうというものである。小学校の先生方には、児童をよく理解していることに自信をもち、今後外国語の指導力を身に付けていただき、新しい外国語教育をともに創っていきたいと願っている。

    これからの小学校の英語活動−入門期
    東京都豊島区教育委員会事務局教育総務部教育指導課長  清野 正

    ★国際社会を生き抜く子どもたちを育成するうえで、小・中・高を通じた英語教育の改革の一環として、小学校外国語活動に寄せられる期待は今後さらに大きくなる。
    ★低・中学年における英語活動では、ネイティブスピーカーの英語を聞くこと、児童が興味・関心をもてる題材を活動に取り入れ、音声言語や身体表現を用いたコミュニケーション活動に取り組むことが大切である。
    ★質の高い外国語活動を実践するためには、外国語活動において目指すべき具体的な児童像を評価規準として学校全体で共有する必要がある。

    これからの中学校の英語教育−中学校で「英語で英語を教える」とは?
    筑波大学附属中学校教諭  久保野りえ

    ★英語で英語を教えるのは効果があるが、生徒を「わからない」状態にしておいてはいけない。英語を通しても理解に導くには技術が要る。「英語だからなんとなくわかればよい」で終わりにしない。初学者には、まず実物、絵、ジェスチャーを駆使して伝える。学年が進めば、易しく言い替えたものと新出表現を並行して聞かせる。訳語も活用するが、最後は英語に戻って、英語の語順で理解できるようにする。聞いて理解できる回路を作ることは、その後の長文読解や、リスニングはもちろん、スラスラ書いたり話したりする発信力にもつながる。

    これからの高等学校の英語教育
    筑波大学附属高等学校教諭  江原一浩

    ★「授業は基本的に英語で行うこと」のポイントは、授業をコミュニケーションの場面とするために、生徒に適切な英語のインプットを与え、生徒とインタラクションを取り、生徒が英語でアウトプットする場を保証すること。その際、生徒の理解度を尊重し、必要に応じて日本語使用を否定するものではない。これまでの実践経験に基づき、英語で英語を教える上で重要となる事柄に焦点を当て、習熟度の異なる生徒を教える際の共通点と相違点を交えながら、いくつかの具体的な方法を紹介する。

    教育目標にあった評価をどうするか?
    新潟大学教授  松沢 伸二

    ★現行の生徒指導要録での評価は評価対象が多く、評価の実行可能性に課題がある。また評定の総括方法が学校ごとに異なり、入試の判定資料として活用するには公平性の点で問題がある。
    ★教育目標を主要目標と関連目標に分け、総括的な評価対象を主要目標の聞く・話す・読む・書く技能に絞る。生徒の四技能の到達度をスタンダード準拠評価で把握するが、学習の確実な定着を図るための形成的な活用にとどめる。入試に学校で教師が行う評価を組み込み、生徒の日々の学習の評価が生きるようにする。以上がこれからの評価の一つのあり方である。

    韓国の英語教育から学ぶこと−初等教育を中心に−
    茨城キリスト教大学教授  上野尚美

    ★1997年に小学校3年生から英語が必修教科として導入されてから、韓国の英語教育は目覚しい進歩を遂げている。内向き志向と懸念されている日本の若者と比べて、韓国から海外へ留学(特に英語圏)する若者は増えていることからも、韓国の英語教育はある一定の成果をあげているといえる。
    ★しかし一方で、学力格差、英語嫌い、家庭崩壊等の深刻な問題も浮上している。本稿では、日本と同様に非英語圏に属し、英語教育に熱心な韓国の英語教育の現状から示唆を得、主として我が国の初等教育について私見を述べている。

    連載

    教師力アップセミナー(8)道徳教育をどう進めるか 千葉市立こてはし台中学校教諭
    高野展也
    学級づくり実践セミナー(9)荒れ始めたときの学級づくりの対応 会津大学上級准教授
    苅間澤勇人
    21世紀をよりよく生きる資質・能力の育成(9)パフォーマンス評価にどう取り組むか 京都大学准教授
    西岡 加名恵
    教育・心理検査を上手に活用しよう(9)発達障害児に対するKABC-兇龍軌蘚活用 北海道教育大学札幌校教授
    青山 真二
    応用行動分析学入門(8)問題行動の働きを明らかにし有効な指導法を発見する−行動機能査定の活用 教育臨床研究機構理事長
    中野 良顯
    感度を高める言葉の教育(9)辞書の意味からわかること 国立国語研究所日本語教育・情報センター教授
    石黒 圭
    小学校算数の発展・応用を学ぶ授業をつくる(28)5年 青山学院大学教授
    坪田 耕三
    小学校理科の授業づくり(32)6年B(5)「月と太陽」における学習展開のポイント 帝京平成大学教授
    白鳥 信義
    どうする?小学校音楽の授業(11)「演奏至上主義」からの脱却と教科書 筑波大学附属小学校教諭
    高倉 弘光
    学校の法律問題(21)PTA広報紙と学校 日本女子大学教授
    坂田 仰
    だんわしつ/過労死防止法の成立と教職員の健康 弁護士
    川人 博