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月刊誌 指導と評価

2017年 10月号
  1. 2017年 10月号  Vol.63-10  No.754  定価:450円
特集
  • 新学習指導要領とキャリア教育
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    キャリア教育の道筋から見えてきたものは−学習指導要領の変遷からみたキャリア教育の課題と対応−
    NPO日本教育カウンセラー協会理事  池場 望

    ★パーソンズらが二十世紀初頭、ボストン市民館で青少年のために個人・職業の特性を共に生かそうと職業相談を始めたのを土台として、職業指導は、ガイダンス、職業心理学、カウンセリング、測定・検査、キャリア教育など多彩な道を歩むことになった。
    ★ここでは、戦後の日本で、職業指導・進路指導・キャリア教育と名称変更してきた経緯を、学習指導要領改訂の重点や職業指導等の定義を中心に、キャリア教育のねらい・内容・方法等について概括し、今後の課題と方策、さらに効能について考えてみることにした。
    ★この考えを基に1では学習指導要領の変遷、2では職業指導等の定義、3ではこれからのキャリア教育の課題や振興策、4ではキャリア教育の効能についてまとめた。

    キャリア理論とキャリア教育
    関西大学教授  川友嗣

    ★アメリカで提唱された職業指導・進路指導に関する理論は、個人と職業を結びつけるマッチング理論から始まり、その後、発達的観点を持つ発達理論が提唱された。その流れは職業や進路を「選ぶ」ことを中心とする理論から、進路やキャリアを「つくる」ことを中心とする理論へと展開してきた。
    ★キャリア教育をより積極的に展開していくには、進路やキャリアは「選ぶ」だけではなく、選んだものを「つくりあげていく」という観点に立つことが重要であろう。「選ぶ」ためには準備が必要であり、「育てる」ことが求められる。また、「選んだ」ものを「育てる」ことによって、キャリアを「つくりあげていく」ことにつながると考えられる。

    キャリア教育による学習意欲の向上−自律的学習動機、学習意欲、進路成熟、自己効力感−
    上越教育大学准教授  山田智之

    ★自分の将来との関係で学校での学習に意義が見いだせずに学習意欲が低下し、学習習慣が確立できない日本の子どもの現状を改善するために、キャリア教育はきわめて重要である。
    ★主体的・対話的で深い学びは、学習意欲を高め、学力を向上させる。
    ★職場体験やキャリア教育にアプローチする教科の学習、カウンセリングが学習意欲を向上させるうえで非常に重要なものである。

    個人資料・情報収集のためのツール
    愛知教育大学名誉教授  坂柳恒夫

    ★キャリア教育の実践では、「自己理解」と「職業理解」は中心となる活動であり、それに役立つツールとして、「厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)」(能力面から適性を把握し、職業と自己との関係を考えるツール)、「職業レディネス・テスト(VRT)」(興味・自信から職業的人格を探るツール)、「OHBYカード」(カード式の職業情報ツール)などがある。
    ★キャリア教育関連のツールにはさまざまなものがあり、目的・方法・対象も多様であるため、実施の目的に合ったツールを選び、正しく実施し、適切に結果を解釈することが必要である。ツールは、児童生徒を理解し、児童生徒のキャリア発達を促進するための一助にしていくことが大切である。

    学校におけるキャリア教育の展開
    早稲田大学教授  三村隆男

    ★次期学習指導要領はわが国の学校におけるキャリア教育にとって画期的な内容となっている。その第一は、小学校、中学校の総則に「キャリア教育の充実を図ること」が示されたからである。第二は、学習指導要領の特別活動の章にキャリア形成という語句が用いられ、小中高十二年間にわたるキャリア教育の実践が意図されていることである。本稿では、こうした次期学習指導要領の流れの中で、学校におけるキャリア教育の展開について、これまでの取組を考察し、今後の在り方について検討を加えていきたい。

    キャリア教育とキャリア・カウンセリング
    追手門学院大学教授  三川俊樹

    ★キャリア教育は、これまでの進路指導や進路相談が取り上げてきた進路の選択・決定のための援助という視点から、キャリア発達を促進するための援助という視点を中心にした取り組みである。キャリア教育には、キャリア発達を促す「基礎的・汎用的能力」を育むためのカリキュラムや学習プログラムに加えて、一人一人のキャリア発達に応じて個別対応を図るキャリア・カウンセリングが必要である。キャリア教育のキャリア・カウンセリングは、教師と子供たちとの日常的な人間関係の上に成り立つ適切なコミュニケーションであり、子供たちが自らの体験に気付き、それを言葉にして表現できるように援助するという活動である。


    連載

    QUを活用した学級づくりと学力向上(7)市内に教育実践の基盤をつくる(2)−魚沼市温かい学級づくり支援事業−QUを活用した学級集団づくりを中核として  新潟県魚沼市教育委員会統括指導主事
    伊佐貢一
    合理的配慮が求められる時代の特別支援教育(7)ADHDの特徴と支援 宮城学院女子大学教授
    梅田真理
    役に立つ教育カウンセリングの技法(7)「いじめ」の面接に役立つ基本技法 山形大学大学院非常勤教授
    佐藤節子
    新教育課程の評価を考える(3)観点の統合と「知識・技能」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    パフォーマンス評価(1)スタンダードとルーブリックの違い 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    評価結果の戻し方(4)日本における評価結果の戻しの研究知見(2) 国立教育政策研究所総括研究官
    山森 光陽
    「教師力」アップセミナー(7)生徒指導の進め方 京都文教大学准教授
    大前暁政
    コミュニケーション能力育成としての英語教育(5)小学校の外国語教育におけるモジュール学習の在り方   国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    小中学校の理科(16)理科におけるキャリア・ガイダンス〜理科学習と職業・生き方を結びつける〜 前千葉県野田市立みずき小学校長
    大関 健道 
    新しい教育評価の動向(52)「形成的評価、対話的学習とハーバーマス」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    私のカウンセリング道程を語る(7)アメリカ留学−ミシガン州立大学教育学研究科博士課程−カウンセリング・サイコロジストの自覚− NPO法人日本教育カウンセラー協会会長
    國分康孝
    NPO法人日本教育カウンセラー協会理事
    國分久子
    教育統計・測定入門(60)条件付き成長曲線モデリング 法政大学教授
    服部 環
    教育の窓(33)ライティングの高大接続 文部科学省初等中等教育局教科書調査官(体育)
    渡辺哲司
    筑波大学教授
    島田康行
    巻頭言/世界に誇れる「日本型キャリア教育実践」の機会の到来 筑波大学教授
    藤田 晃之