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月刊誌 指導と評価

2018年 2月号
  1. 2018年 2月号  Vol.64-2  No.758  定価:450円
特集
  • 通常学級における特別支援教育
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  • 特集

    巻頭言* 「杉の子学級」での体験から特別支援教育を考える
    東京学芸大学名誉教授  河野義章

    通常学級における特別支援教育の考え方
    文教大学教授  小野里美帆

    ★特別支援教育が始まって十年が経過する。地域を含めた特別支援教育システムが構築されつつある一方、支援ニーズをもつ子どもへの関わり方については、課題が大きいのが現状である。
    ★最重要課題の一つが、子どもの行動を適切に評価し、支援につなげることである。そのためには、障害や発達に関する知識、さまざまな支援方法についての理解が必要であるとともに、子どもの行動を多角的に分析する力が必要である。問題となる行動を表層的にとらえたり、要因を子ども個人だけに帰属したりせず、子どもをとりまく環境や、子どものこれまでの育ちを考慮に入れた多角的・多軸的な見方を通して、子どもの全体像を理解することができるのである。

    巡回相談員による担任へのコンサルテーション
    埼玉県立大学准教授  森 正樹

    ★本稿では、巡回相談員の立場から、事例のA君を受け持つ学級担任への支援のあり方を考える。特に、(垢取りに基づく情報の整理、特別支援ニーズを包摂する実践の再構築、6軌同士の協働関係の構築支援について、事例に則して紹介した。外部の専門家である相談員には、コンサルタントとして、コンサルティである教師の専門性と主体性を尊重しつつ、その可能性と創造性を十分に発揮できるような支援が求められる。

    臨床発達心理学による子どもの「見方・考え方」
    東京学芸大学教授  藤野 博

    ★臨床発達心理学は、発達という時間の軸と学校、地域などの空間の軸を包括したアセスメントと支援の観点を持つところに特徴がある。アセスメントには心理測定的なものと生態学的なものがある。個人の能力を同年齢の他児と比較して評価するのが心理測定的アセスメントであり、社会的活動への参加の実態を把握することを目的とするのが生態学的アセスメントである。本稿では、ASD児の言語・コミュニケーションと仲間関係に焦点をあて、心理測定的アセスメントとしてCCC−2を、生態学的アセスメントとしてマコーミックの方法を紹介する。また、本事例の問題に即して通級指導教室で行う個別の指導と学級で行う支援や配慮の方法について考える。

    応用行動分析による子どもの「見方・考え方」
    山形県立保健医療大学教授  佐竹真次

    ★応用行動分析学の四項随伴性の考え方を基にした四種類の行動支援バイパスモデル、すなわち、代替行動バイパスモデル、直前事象補正バイパスモデル、背景事象補正バイパスモデル、結果事象補正バイパスモデルを紹介したうえで、それをもとに事例A君の問題行動を分析し、具体的な支援法を検討した。特に離席と学習困難に焦点を当て、授業内容に関する手順や結論を書きだしたメモやヒント満載のプリントを用意して課題の難度を下げること(直前事象補正バイパスモデル)、および、決められた時間までの着席継続に報酬を提示すること(結果事象補正バイパスモデル)を提案した。また、適切行動の萌芽を強化することが問題行動の減弱に寄与することも論じた。

    感覚統合的アプローチによる子どもの「見方・考え方」
    うめだ・あけぼの学園副園長  酒井康年

    ★感覚統合理論は、人の行動を、脳の働きとの関係で理解しようとする取り組みの全体像である。人の行動は、その人本人と環境との相互作用の結果として表れると考えられる。したがって、教室でみられる様々な姿は、子どもだけにその責任があるのではなく、環境の側にも要因があり、その相互作用の結果として行動を理解することが重要である。
    ★また、感じ方の個人差や不器用さがある場合にも、感覚統合理論で理解しようと試みることができる。やみくもにやめさせようとか、何回も練習させようということでなく、本人の特性に応じた支援の内容を検討していくことになる。本稿では、これらの感覚統合の視点を紹介しながら、具体的にケースの検討を行う。

    インクルーシブ教育を組みかえる
    神戸大学准教授  赤木和重

    ★本稿の目的は、障害のある子どもの「問題」やそこに対する教師の困り感が、わが国の「みんな同じ」という教育観からきている可能性があることについて論じることである。「みんな同じ」という教育観を背景に、インクルーシブ教育が進められた場合、子どもの違いが、「問題」に転化・可視化されることにつながりうること、そしてその結果、多様な子どもの学校・授業参加を阻むことにつながることを指摘した。今後、インクルーシブ教育に求められるのは、子どもの「違い」を大事にしながら、「つながり」を創造する教育観と指導技術である。

    連載

    QUを活用した学級づくりと学力向上(11)学級づくりを基盤とした学力向上への取組−甲州市『確かな学力』育成プロジェクト 山梨県教育庁義務教育課副主幹・指導主事
    藤原祐喜
    合理的配慮が求められる時代の特別支援教育(11)配慮の必要な子どものための幼・小連携 聖学院大学教授
    金谷京子
    新教育課程の評価を考える(7)「総合的な学習」からメタ認知まで 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    パフォーマンス評価(4)国語「書くこと」(2)評価事例−生徒の回答とスタンダードに照らした採点例 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    評価結果の戻し方(6)評価結果を戻さないことが学習者に与える影響と評価結果の戻しによる学力格差の解消 国立教育政策研究所総括研究官
    山森 光陽
    役に立つ教育カウンセリングの技法(11)危機対応−緊急支援について スクールカウンセラー
    佐々木順子
    構成的グループエンカウンター再入門(1)学年末にむけて−終わりよければすべてよし・前に向かって歩む仲間たち− 文教大学・埼玉県立大学非常勤講師
    原田 友毛子
    教師力アップセミナー(11)学校が保護者の信頼を集めるために 京都文教大学准教授
    大前暁政
    コミュニケーション能力育成としての英語教育(8)外国語によるコミュニケーション力(資質・能力)は、どのような理念で指導すれば育成できるのか 国立教育政策研究所名誉所員
    渡邉 寛治
    小中学校の理科(20)「野田市理科カリキュラム」と「教師用の手引き」〜理科副読本の活用を促進するための手だて 前千葉県野田市立みずき小学校長
    大関 健道 
    新しい教育評価の動向(53)R・サドラー「コンピテンスとコンピテンシーズを区別する」 静岡県立袋井高等学校教諭
    鈴木 秀幸
    私のカウンセリング道程を語る(11)スクールカウンセリング関係諸団体の結集−任意団体から社団法人へ NPO法人日本教育カウンセラー協会会長
    國分康孝
    NPO法人日本教育カウンセラー協会理事
    國分久子
    教育統計・測定入門(64)得点の信頼生の高さを知る方法 法政大学教授
    服部 環