知的障害を抱えた子どもたちのために、何ができるか
半世紀にわたり子どもの診療・支援に携わってきた著者が、子どもと関わるすべての大人が知っておきたい内容を1冊にまとめました。知的障害とは何か、子どもたちのために何ができるか。診断から就学・就労、その後の生活まで、人生全体を見据えた支援のあり方を探ります。
参考資料84(本書72ページ)のダウンロードはこちら 小学校入学時資料「子どもの現状について」(PDF)目次
第1章 障害とは障害の医学モデル/障害の社会モデル/どのように医学モデルと社会モデルを包摂するか
第2章 知能とは・知能検査とは
知能とは/知能検査/何がわかるか/結果は絶対か/人工知能
第3章 知的障害とは
知的障害とは/わが国での歴史/知的障害の頻度とわが国の現状/療育手帳/知的障害の原因/遺伝的要因/知的障害に合併しやすい/乳幼児健診/著者はいつごろ診断しているか/知的障害は治るか/生活能力を基本に考える/知的障害を学ぶ3冊/境界知能とは/非認知スキル/タテの発達・ヨコの発達
第4章 学び・教育をめぐって
就学先/特別支援教育/通級による指導/就学前の学びの場/小学校入学に向けて/就学先を決めるときに/中学校(中学部)に向けて/高等学校(高等部)/高等学校(高等部)以降/不登校/いじめ/多機関連携/モラトリアム/ GIGAスクール構想とICT /学びは続く
第5章 社会資源
公的支援の窓口/児童発達支援・放課後等デイサービス/サービス内容/そのほかの療育・教育施設/医療とのかかわり/特別児童手当・障害児福祉手当/地域生活支援事業
第6章 合理的配慮
ユニバーサルデザインとバリアフリー/障害者差別解消法/ NGワード
第7章 コミュニケーション課題
コミュニケーション/代表的な介入プログラム/その他のいろいろ/ AIの広がる未来/児童虐待をめぐって/強度行動障害とその周辺/行動援護
第8章 発達障害との関連
発達障害と神経発達障害(症)/自閉症スペクトラム障害/ ADHD /特異的(限局性)学習障害/発達性協調運動障害/チック・トゥレット障害/選択性緘黙
第9章 性の問題をめぐって
初めてのかかわり/七生養護学校事件/著者と性教育/知的障害と性教育/性被害、性加害/月経(生理)をめぐって/日本版DBS /性処理/性の権利/ LGBTQ
第10章 ライフスキルトレーニング
ライフスキルトレーニングの内容/ ABC分析/不適切行動への対応/きりかえ・タイムアウト/幼児期の対応/あいさつ/要求・選択・諾否/ヘルプサイン/感情表現/お手伝い/対人距離感/社会的妥協/数について/お金と時間/ 5W1Hと日記/運動/ ICTとゲーム・スマートフォン/健康状態の把握
第11章 成人になるまでに考えておきたいこと
親権をもっている間しかできないこと/成人したらできること/家族の状況/30年後のイメージ/1時間・3時間/あいさつと保清・安全/就労/趣味と余暇/詐欺や犯罪/いつ決めるか
Take Home Message(覚えておいていただきたいこと)
著者紹介
平岩幹男(ひらいわ・みきお)医師、医学博士、Rabbit developmental research 代表。
公益社団法人日本小児科学会、日本小児保健協会名誉会員。1951年戸畑市(現北九州市)生まれ、1976年東京大学医学部医学科卒。三井記念病院、帝京大学医学部小児科、戸田市立医療保健センターなどを経て現職。厚生労働省、環境省委員会委員、国立研究開発法人国立成育医療研究センター理事、東京大学大学院医学系研究科非常勤講師など歴任。 2002年母子保健奨励賞、毎日新聞社賞受賞(皇居参内)。著書「自閉症スペクトラム障害」(岩波書店)、「発達障害児のライフスキルトレーニング」(合同出版)など多数。